紀平 SP5位、3回転半失敗…靴の調整ミス それでも悲観せず

[ 2018年12月22日 05:30 ]

フィギュアスケート 全日本選手権第1日 ( 2018年12月21日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )

世界女王まさか…女子SP5位の紀平(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 開幕し、女子ショートプログラム(SP)に出場したGPファイナル覇者の紀平梨花(16=関大KFSC)は、68・75点で5位発進した。代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)での転倒が響いた。平昌五輪4位の宮原知子(20=関大)が76・76点で首位発進をした。男子SPは22日に行われる。大会は、世界選手権(19年3月、埼玉)などの代表選考会を兼ねている。

 注意していた方とは逆の足に落とし穴が潜んでいたとは…。最初の大技トリプルアクセルで転倒した紀平が、原因を探った。

 「本番では靴が軟らかくなるだろうと思って、もっときつくと思ったら、右だけきつくしすぎました」

 前日20日に懸念していたのは、左のスケート靴だった。約5カ月の使用で寿命間近の状態。足首付近の革が軟らかくなりすぎ、ジャンプの際に踏ん張りが利きにくくなっていた。靴の上からテープを巻いて固定していた。

 実は、右足も同様の措置をしており、この日災いしたのはこちらの足。演技直前の6分間練習でテープの緩みを感じ、右だけ巻き直したことが裏目に出た。「なんでこんな硬さにしたのかなというくらい硬くて」。あどけない16歳の嘆きが止まらなかった。

 SPに限れば、代名詞のトリプルアクセルが鬼門になっていた。今季の5戦で成功は2試合だけ。国内最高峰の一戦でも不吉なデータが的中してしまった。2連続の3回転ジャンプでは2本目が2回転になるミスもあった。それでも、68・75点で5位に踏みとどまったのは、地力の高さ。キスアンドクライでは得点を見て、安どの表情を浮かべた。新エース候補は決して悲観していない。

 「原因は精神的な問題ではない。靴を調整すればいいだけの話と捉えたいです」

 全日本選手権の女子の最大の逆転劇は13年の鈴木明子で、浅田真央との2・82点差をフリーでひっくり返した。現状、首位宮原とは8・01点差ある。並の選手なら厳しい数字だ。だが、高得点のトリプルアクセルをフリーに2本も組み込む“ジャンプの申し子”なら、ミラクルは決して不可能ではない。

 ▽世界選手権代表選考 男女とも3枠。全日本選手権優勝者がまず決定。2人目は全日本2、3位の選手、GPファイナル出場の上位2選手、全日本終了時の世界ランク上位3選手から選考。2人目の選考から漏れた選手を、国際連盟公認大会での今季自己ベストなどから3人目として選ぶ。また、実績のある選手がやむを得ない理由で欠場した場合の救済措置もあり、男子SP、フリーとも世界最高得点を記録した羽生結弦(ANA)は右足首の負傷で欠場しているが、選ばれる可能性が高い。

続きを表示

この記事のフォト

2018年12月22日のニュース