後半ロスタイムに逆転トライ “早慶戦”殊勲者は打倒慶応に燃える男 ラグビー大学選手権

[ 2018年12月22日 19:46 ]

ラグビー第55回全国大学選手権準々決勝 ( 2018年12月22日    東京・秩父宮ラグビー場ほか )

<早大・慶大>試合終了間際、逆転トライを奪い、吠える早大・佐々木(左)(撮影・吉田 剛)
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 4試合が行われ、早大は慶大を20―19で破り、準優勝した2013年度以来、5季ぶりの準決勝進出を決めた。来年1月2日に秩父宮で行われる準決勝では、東海大を破った明大と対戦する。

 4点を追う後半ロスタイム。敗退決定まで残り30秒で迎えた相手ボールスクラム。試合全体を通じて終始劣勢だったもののFW勢が奮起しペナルティーをゲット。インゴールまで5メートルの位置のラインアウトで試合を再開させると、連続攻撃を重ね、最後は右サイドライン際でパスを受けたWTB佐々木尚(4年)がインゴール右隅に飛び込み逆転トライ。次々と寄ってくる仲間たちにハグの嵐の祝福を受けた殊勲者は「タッチを切ってしまえば自分のプレーで大学4年間が終わってしまうところだった。取り切るという気持ちだった」と振り返った。

 誰よりも「打倒・慶応」に燃える男だ。高校ラグビーの名門、神奈川・桐蔭学園でラグビーに打ち込んだが、3年時は県予選決勝でライバル慶応高に敗れ、花園への道を断たれた。勉強でも好成績を残していた佐々木は慶大のAO入試に合格したが、「花園に行った代の慶応に勝ちたいという思いがあった」と早大の自己推薦入試も受験し、見事合格。アカクロのジャージーを着て、SO古田主将、ロック辻、FB丹治ら慶応高の花園メンバーが名を連ねたライバルから勝利をもぎ取った。

 昨年11月の早慶戦でも先発し、チームは勝利。だが「去年も勝ったが(1学年上の)加藤主将の代の勝利。自分たちの代ではないので」と今年に懸けていた。ところが1年の長田、2年の古賀らが台頭し、今季は10月の青学戦を最後に先発出場なし。それでも腐らず途中出場した11月の慶大戦や今月の明大戦では、随所で苦手なディフェンスでもチームの勝利に貢献。相良南海夫監督の「高校時代に慶応に負けていた選手なので、その思いに懸けた」という先発起用に応える活躍だった。

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2018年12月22日のニュース