伊調、敗れる 大きい2年のブランク 過去3戦全勝だった川井梨と立場逆転

[ 2018年12月22日 11:58 ]

全日本選手権女子57キロ級1次リーグB組   ○川井梨紗子―伊調馨●

<レスリング全日本選手権 女子57キロ級>川井梨(左)に敗れた伊調(撮影・西海健太郎)
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 五輪4連覇の伊調馨(34=ALSOK)が金メダリスト対決で敗れた。1次リーグの初戦で、リオ五輪63キロ級金メダルの川井梨紗子(24=ジャパンビバレッジ)に1―2で敗れ、黒星発進となった。伊調が日本選手に敗れるのは、01年全日本女子選手権3位決定戦の吉田沙保里以来17年ぶりとなった。

 試合は互いに攻撃を繰り出さず、密着する場面もなく、激しい組み手争いにほとんどの時間が費やされた。ただし重圧をかけていたのは現役世界女王でもある川井梨。マットの中央でどんと構え、伊調に攻め込む隙を与えず、カウンターの罠にはまることもなかった。

 伊調は第1、第2ピリオドそれぞれでアクティビティタイム(30秒間でポイントを奪えなければ相手に1ポイント)を取られて0―2。残り25秒で初めてタックルを仕掛けたものの、いなされてポイントにはできなかった。試合終盤に相手のアクティビティタイムで1点を返したが、終了直前のタックルも抑え込まれて一歩及ばず。終了のホイッスルを聞くと、マットに膝をついた姿勢から息を吐いてゆっくりと立ち上がった。一方の川井梨も特段に喜ぶ様子は見せなかった。

 日本人同士の金メダリスト対決は史上初めて。伊調は川井梨に過去3戦全勝だったが、14年大会での最後の対戦から川井梨は世界女王に成長し、伊調は2年のブランクもあって立場が逆転していた。

 1次リーグB組は3人による総当たり戦で、上位2人が準決勝に進出する。互いに勝ち上がれば23日の決勝で再戦となるだけに、どちらも手の内をさらけ出すことはなく、どちらも技によるポイントはなかった。伊調、川井梨ともに次戦は世界ジュニア2位の南條早映(19=至学館大)と対戦する。

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