【茨木克治氏 観戦記】関学と早大 明暗分けたランプレーの出来

[ 2018年12月17日 08:30 ]

アメリカンフットボール 第73回「甲子園ボウル」   関学大37―20早大 ( 2018年12月16日    阪神甲子園球場 )

<甲子園ボウル 関学大・早大>第2Q、41ヤードランしTDを決める関学大RB三宅(21) (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 ランプレーの出来が明暗を分けた。関学大は多彩なサインで変化をつけてくる早大守備に惑わされることなく、ランだけで287ヤードを獲得した。

 第1Qは対応に手間取っている感じもあった。しかし、第2QからはしっかりOLが対応。三宅、渡辺、中村の3人のRBもよく走っていた。本来のエースランナーである山口を負傷で欠いても、これだけ走れるRB陣を持つことに、改めて驚かされた。ランが出ることでエリアコントロールが容易になり、難しい試合ではなくなった。OB奥野も第2Qから落ち着いてプレーしていた。

 半面、早大のラン攻撃は74ヤード。もっと走りたかったはずだ。QB柴崎からブレナン、遠藤へのパスは強力。特にブレナンの捕球力は素晴らしかった。しかし、関学大DB陣がパス守備だけに集中したときは、うまくいかなかった。常時ランとパスの両方を警戒させる状況になっていれば、空中戦も一層、威力を発揮したに違いない。

 早大は第2Qでパントがブロックされ、自陣ゴール前まで迫られたことも痛かった。明らかに狙われていた。

 社会人相手のライスボウルでは、この試合のようにランプレーが進み続けるとは考えにくい。スタイルを一変して挑むだろう。(元同大・大産大監督、現大産大コーチ)

続きを表示

この記事のフォト

2018年12月17日のニュース