【岡崎真の目】冒頭の“3回転半”失敗も、2本目を無難にまとめたのはさすが

[ 2018年12月10日 08:30 ]

フィギュアスケート GPファイナル最終日 ( 2018年12月8日    カナダ・バンクーバー )

思い切った滑りを披露し頂点に輝いた紀平(撮影・小海途 良幹)
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 紀平の最初のトリプルアクセル(3A)は緊張もあったのか、上がり損ねたような感じで高さが足りなかった。3Aともなれば、踏み切りと自分の体の伸びをうまくかみ合わせてある程度高く跳ばないと、空中で3回転半は回りきらないし、着氷の準備も間に合わない。2本目の3Aも何とか降りたような感じだった。それでもコンビネーションにつなげて無難にまとめたのはさすがで、100点の出来ではなくても降りられるレベルにあることがよく分かった。

 その後もループで少し行きすぎるなど前半は少し慌てているような感じがしたが、3回転の連続ジャンプあたりからは落ち着いて滑っているように見えた。緊張の中で最初に3Aで失敗しながらこれだけまとめられたのは素晴らしい。

 ジュニアの時には大きく崩れる印象も時にはあったが、シニアになってからはそういう部分が目立たなくなってきた。ジュニア時代は勢いや元気を前面に出して滑れても、シニアにはシニアとしてのうまさが必要になる。その点、紀平のプログラムは大人っぽい雰囲気があって、彼女によく似合っている。演技点では微妙にザギトワに負けてはいるが、9点台をつけた審判もおり、シニアへの移行は順調と言っていい。

 1つ下のジュニア世代には4回転を跳ぶ選手もたくさんいるがSPとフリーで合わせて3回跳べる3Aは紀平にとってはやはり大きな武器。先のことも見据え、まずは来年3月の世界選手権(さいたま市)で頂点を目指してほしい。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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