【岡崎真の目】05年真央以来の制覇へ 紀平に不安要素見当たらない

[ 2018年12月8日 08:46 ]

フィギュアスケート GPファイナル第1日 ( 2018年12月6日    カナダ・バンクーバー )

トリプルアクセルを決める紀平(撮影・小海途 良幹)
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 紀平の演技は素晴らしかった。冒頭のトリプルアクセル(3A)はほんの少しだけ体の軸が外側に外れたが、高さといい、降りた後の流れといい、ほぼパーフェクトと言っていい出来だった。続く連続ジャンプと3回転ルッツも全く問題なかった。

 フライングシットスピン(跳んで入り座って回る)は、レベル4の予定が2になってしまった。おそらく、エッジ変更の前後に各2周ずつなければいけないところで、変更前のバックインサイドエッジが少し短かったのと、最後のバリエーションでお尻が少し高くなったのが原因だろう。ミスといえばミスなのかもしれないが、他の要素はそれを補って余りある完璧な出来だった。これまでのGP2戦ではSPで出遅れただけに、今度こそはという強い気持ちがあったに違いない。

 ザギトワもミスはなかった。さすが女王の貫禄で演技点はザギトワの方が高かったし、スピンやステップの取りこぼしもなかった。それでも紀平の方が上回ったのはやはり3Aの威力だろう。トリプルとダブルのアクセルの違いで6点以上差がついた。フリーでも3Aはもちろん、やるべきことをやれば結果はついてくるはずだ。SPを見た限りでは、フリーでの不安要素は見当たらない。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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