【記者の目】相撲界でまた不祥事…暴力とはゆがんだ上下関係の産物

[ 2018年12月6日 08:30 ]

貴ノ岩が暴行騒動

千賀ノ浦部屋の前には大勢の報道陣がつめかけた(撮影・吉田 剛)
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 開いた口がふさがらない。相撲界が暴力根絶に一丸となって汗をかいている真っ最中に、またもや同じ不祥事が起きた。そして、その当事者が貴ノ岩とは…。1年前に元横綱の理不尽な暴力によって心身ともに大きなダメージを受け、その痛みに長い間苦しんだのは誰だったのか。たとえどんな理由があったにせよ、自分がやられたことと同じことを立場の弱いに者に繰り返す。その自覚のなさにはあきれるばかりだ。

 番付が一枚変われば、天国と地獄といわれる相撲界。関取になれば給料をもらえるようになり、身の回りの世話をしてくれる付け人もつく。だが、付け人も同じ力士である。少しでも番付を上げようと稽古に励むのが本分であることを、上の者はもっと自覚すべきだろう。番付の上位者が下位の者や弟弟子、付け人に暴力を振うのはゆがんだ上下関係の産物でしかない。

 相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)は10月に暴力問題再発防止検討委員会の最終報告を受け「今後も外部の有識者の意見を取り入れながら暴力の根絶に全力で取り組みます」と“改革”への意気込みを口にしていた。だが、残念ながらその道のりが容易ではないことは、今回の不祥事が明らかにしてしまった。(編集委員・大渕 英輔)

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