桃田 3年ぶり頂点に感謝、どん底から“徳”積んで復活

[ 2018年12月3日 05:30 ]

バドミントン全日本総合選手権最終日 ( 2018年12月2日    駒沢体育館 )

バドミントン全日本総合選手権男子シングルス決勝第3セット、優勝しコートにひざまずきながらガッツポーズする桃田 (撮影・白鳥 佳樹)
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 5種目の決勝が行われ、男子シングルスでは桃田賢斗(24=NTT東日本)が3年ぶり2度目の優勝を果たした。最終ゲームまでもつれる激戦となったが、剛柔自在の配球で世界ランキング1位の貫禄を見せつけた。女子ダブルスでは世界ランク1位の福島由紀(25)広田彩花(24)組(岐阜トリッキーパンダース)が、16年リオデジャネイロ五輪金メダルの高橋礼華(28)松友美佐紀(26)組(日本ユニシス)を下し、2連覇を達成した。

 渾身(こんしん)のスマッシュで76分の激闘に終止符を打った。3年ぶりの頂点に立った桃田は両膝を突き、両手で歓喜のガッツポーズ。「この優勝は自分のものだけではない。いろいろな方の応援がじかに聞こえた。みんなで戦っている中での優勝は自分にとって自信になる」。感謝の思いがあふれ出た。

 嫌な残像を払しょくした。前日の準決勝では対戦相手の発熱で不戦勝となったが、決勝で激突する同級生・西本の試合を見ると不安が襲った。気迫を出しながらの粘り強いラリーに「ちょっとヤバいかな…」。決勝は第1セットを圧倒したが、勝ち急いだ第2セットでは相手のペースにはまる展開。「最終ゲームは技術でなく気持ちの勝負」。そう切り替え、西本が疲労を見せた2―2から怒とうの5連続ポイント。大会前に焼き肉を食べて重量感の増したスマッシュで蹴散らした。

 初優勝した15年以降はどん底を味わった。16年4月の違法賭博問題で出場停止処分。1年以上も表舞台から姿を消し、以前は気に掛けなかった部分まで見直した。「試合会場、トイレのスリッパを並べる。ゴミを拾ったり、ゴミを持って帰ったり。やったから何が起きるわけではないけど、徳を積むのも大事だった」。自らを徹底的に見つめ直した。

 2度目の全日本タイトルは重みが違った。「15年は試合に出る、海外のトーナメントに出るのも当たり前という甘い自分がいた。いろいろな方に支えられ、ここまで来られた」。今年は世界選手権を制し、日本男子初の世界ランク1位も継続中。年内は8日に開幕戦のS/Jリーグ、その後に12日からのワールドツアー・ファイナル(広州)が控える。輝きを増す王者の戦いはまだ終わらない。

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