ワセダ復権!8季ぶり対抗戦V、創部100周年飾った

[ 2018年12月3日 05:30 ]

関東大学ラグビー対抗戦A ( 2018年12月2日    秩父宮 )

<早大・明大>後半ロスタイム、明大の反則で勝利を確信し、ガッツポーズする斎藤(中央)ら早大フィフティーン(撮影・吉田 剛)
Photo By スポニチ

 伝統の一戦は創部100周年の早大が31―27で明大を破り、通算6勝1敗として帝京大との両校優勝を決めた。早大の優勝は10年度以来8季ぶり23回目。4点リードの後半10分に相手スクラムのピンチを脱出後、CTB中野将伍(3年)が連続トライ。終盤に追い上げられたが、逃げ切った。通算成績(定期戦のみ)は早大の54勝2分け38敗となった。各大学リーグの全日程が終了し、全国大学選手権の3回戦以降の組み合わせも確定した。

 ピンチの後にチャンスあり。後半10分、4点を追う明大はゴール正面10メートルの位置でのペナルティーで迷わずスクラムを選択した。前半もスクラムはメイジが圧倒。場内のボルテージは最高潮に達した。一方のワセダFWは円陣を組み「下を取ろう(低く組もう)」と決起。この試合、スクラムでは唯一の反則を引き出すと、跳びはねるようにして喜んだ。

 就任1年目の相良南海夫監督も「ゲームのポイントだった。押されながらも想定内の我慢だった」と振り返った分岐点。その後はセンターライン付近のラインアウトから前進し、SO岸岡(3年)、プロップ鶴川(4年)と渡ったパスを勢いをつけた中野がもらい、2人を蹴散らしインゴール中央に飛び込んだ。5分後にも鶴川、岸岡とつないで中野が連続トライ。マン・オブ・ザ・マッチにも選ばれたエースは「FWがゴール前で踏ん張って耐えてくれたので、バックスで勝負しようと集中した」と胸を張った。

 2000年代の黄金期はFWにも力があった早大だが、100周年の今年度は伝統的な「ヨコ」のチーム。才能あふれるバックス勢の中心が、SH斎藤(3年)や中野だ。2人は今年4月から約3カ月間、トップリーグ王者サントリーに“留学”。将来の日本代表と嘱望される才能をさらに伸ばした。斎藤も類いまれなパスセンスで明大ディフェンスを翻弄(ほんろう)した。

 春から取り組む、前に出るディフェンスも唯一敗戦した帝京大戦から修正。「節目の年にタイトルを獲れたことはうれしい」と話した相良監督の視線はすでに次へ向いている。帝京大を倒しての大学日本一。フランカー佐藤主将(4年)も「僕らの目標は(日本一で歌うことが許される第2部歌の)“荒ぶる”」と結んだ。

 ≪父は明大出身&日本代表 河瀬先制T≫早大のルーキーFB河瀬が開始3分で先制トライを挙げた。中野からパスを受けるとトップスピードに乗って3人をかわし、インゴールに飛び込んだ。父で元日本代表No・8の泰治氏は明大出身。試合前にはロッカーで相良監督から「泰治ではなく諒介の早明戦にしろ」とハッパを掛けられて送り出され、有言実行。後半に足を痛めて退いたが、「自分のトライで流れを持ってこられた。(早明戦は)プライドの戦い。他の試合と違った」と笑顔を見せた。

続きを表示

この記事のフォト

2018年12月3日のニュース