今平 76年以来年間1勝で初の賞金王、海外挑戦に意欲

[ 2018年12月3日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 日本シリーズJTカップ最終日 ( 2018年12月2日    東京よみうりCC=7023ヤード、パー70 )

日本シリーズJTカップ最終日 試合後に集合写真を撮る(左から)Y・E・ヤン、額賀、石川、賞金王の今平、小平、ノリス、ケネディー、宮里優(撮影・西川 祐介)
Photo By スポニチ

 賞金ランク1位の今平周吾(26=フリー)は通算5アンダーで8位に終わったが、1億3911万9332円を稼ぎ、初の賞金王に輝いた。年間1勝での戴冠は76年の青木功以来2人目。5年シードを獲得し、海外挑戦に意欲を見せた。4打差の11位から出た小平智(29=Admiral)がベストスコアの64で回り、通算8アンダーで並んだ石川遼(27=CASIO)、黄重坤(26=韓国)とのプレーオフを制し、日本ツアー7勝目を挙げた。

 一緒に回った小平が抜群の集中力で猛チャージを見せるなか、今平は淡々と18ホールを戦い終えた。メジャーの出場資格などを得られる世界ランク50位以内に入るためにも優勝を手にしたかった最終日。5、6番の連続バーディーなどで上位を目指したが、鬼門の10番でショットが乱れてボギーを叩くなど大きくは伸ばせなかった。初の賞金タイトルは勝ち取った。73年のツアー制度施行後最も小柄な1メートル65の賞金王は「こうやって賞金王を獲れて体格は関係ないと感じた。優勝できなかったことは少し悔しい」と複雑な表情を浮かべた。

 今季は出場24戦で、優勝1回を含むトップ5が10度。年間を通じて安定した成績を残せたのは「今年からトレーナーと契約し、自信を持って試合に臨めた」と明かす。16年にはシンガポール・オープンを腰痛で欠場。ケガに苦しむ姿を見た渡辺研太トレーナー(25)は「ポテンシャルの高さを生かし切れずケガをしやすい体だった」と振り返る。飛距離を求める今平に「まずは年間を通じて戦える体づくりが必要」と諭し、肩甲骨と股関節の可動域を広くすることなどを課した。体の弱点が解消されると「置きに行くようなスイングだったのが、可動域が広くなってスイングアークが大きくなった。おかげで飛距離も伸びた」と今平はその効果を実感した。

 安定したショット力に加え、パットでも成長。15年に61位だった平均パット数は1・7333でランク1位になった。賞金王になったことで5年シードも獲得。「できればすぐにでも米国に行きたい気持ちは強い。チャンスがあればしっかりものにできるようにしたい」と積極的な姿勢を示した。青木功以来となる年間1勝での戴冠。課題は自身が心得ている。「終盤で勝ちきれない。そういうところを頑張っていきたい」。優勝スピーチをする小平の姿を見て、今平は表情を引き締めた。

 ≪婚約者・若松さん「ここからスタート」≫今平の婚約者の若松菜々恵さんは賞金王が決まり、ホッとしたような表情だった。「歴代凄いみなさんばかりですから。ここからがスタートだと思います」と話した。初日、2日目と勝負どころでスコアを崩したときにはホールアウト後に「くよくよしないで頑張ってね」と励ましの言葉をかけたという。今オフに結婚式を挙げる予定で、今平は「(結婚を決めた年に)結果を残せて良かったです」と話していた。

 ▼青木功日本ゴルフツアー機構会長 勝たなくても賞金王になれるんだということを誇りに思ってほしい。

 ◆今平 周吾(いまひら・しゅうご)1992年(平4)10月2日生まれ、埼玉県入間市出身の26歳。9歳からゴルフを始め、埼玉栄高1年時の08年日本ジュニアでは、松山英樹らを抑えて優勝。高校を中退して、IMGゴルフアカデミー(米フロリダ州)で2年間腕を磨く。帰国後の2011年にプロ転向。17年の関西オープンでツアー初優勝。ツアー通算2勝。5月に元キャディーだった若松菜々恵さんと婚約。1メートル65、63キロ。趣味は音楽鑑賞。

続きを表示

この記事のフォト

2018年12月3日のニュース