序二段・若一郎 “故郷”長崎市での冬巡業に“飛び入り参加”

[ 2018年12月3日 09:30 ]

支度部屋で笑顔を見せる序二段の若一郎
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 大相撲の冬巡業が2日、長崎市で始まり、同市出身の序二段・若一郎(20=武蔵川部屋)が3年ぶりとなる同市での巡業に“飛び入り参加”。応援に駆け付けた祖父母の前で勇姿を見せた。

 冬巡業には同行しない若一郎だが、3年ぶりの“故郷”での開催とあって、唯一の同市出身力士に声がかかった。「長崎市出身、若一郎」。場内アナウンスが流れるとファンは大きな拍手。十両・常幸龍による“かわいがり”にも必死に食らいつき存在感を見せた。

 両親は米国人の父ジェイソン・ヤングさん(43)と日本人の母ミホ・ヤングさん(40)。17歳まで米テキサス州ヒューストンで育った。相撲の前には師匠の武蔵川親方(元横綱・武蔵丸)と同じアメフットを5年間プレー。野球も同年数、経験しており1メートル78、125キロの土台は本場でつくられた。

 母が長崎市出身で、小学4年以降は夏になると約3カ月間、米国を離れて長崎市の母の実家で生活。「足が短いから将来はお相撲さん」と幼少期から母に言われ続けた言葉が現実になった。18歳の時に武蔵川部屋に体験入門し2年前の16年九州場所が初土俵。ヤング一郎という本名から師匠がつけたしこ名に「シンプルです」と白い歯を見せた。

 最高位・三段目85枚だが、直近、2場所連続で負け越して序二段も番付を落とし尻に火が付いた。「目標は十両に上がることです。十両になったらもっと頑張ります」。米国では相撲が見られないため、自らの相撲動画を両親に送付しているという。20歳の若一郎。その成長過程が海の向こうの両親の目にはしっかりと刻まれている。(宗野 周介)

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2018年12月3日のニュース