サントリーV3へ4強、復帰の松島、先制トライアシスト

[ 2018年12月2日 05:30 ]

ラグビートップリーグ決勝トーナメント1回戦   サントリー28―26クボタ ( 2018年12月1日    秩父宮 )

後半、サントリー・松島がボールを外へ蹴り出して試合終了
Photo By 共同

 3連覇を目指すサントリーはクボタに28―26で勝利し、8日の決勝トーナメント準決勝進出を決めた。右脚の故障のため、11月17日のイングランド戦など秋の代表活動に参加しなかったFB松島幸太朗(25)も先発で実戦復帰し、80分間フル出場。来年のW杯に明るい兆しを見せた。また、ヤマハ発動機はNTTコムに逆転勝ち。準決勝でサントリーと対戦する。

 2カ月以上のブランク明けの復帰初戦とは思えない、さすがの仕事ぶりだった。最初の見せ場は前半14分。ゴール前の攻撃でSH流主将から直接パスを受けると、松島は少しずらして相手に当たり、倒れ込みながら右サイドのWTB中鶴にパス。すぐさま体勢を立て直すと中鶴を後ろから押し込んでインゴールに流れ込み、先制トライをアシストした。

 「一つ、自分のトライになるところがあったけど、取れなかった。そういう点ではまだまだ」と遠慮気味に話すのは、もっと状態は上がると分かっているからこそ。わずか3得点に抑えられた後半は守備でも奮闘を続け、沢木敬介監督も「久しぶりのゲームだったので、感覚を取り戻すいい機会だったと思う」と口調とは裏腹の、明るい表情で評価した。

 「イングランド戦には出たかったです」と本音を漏らしたように、13年11月に初めて代表に招集してくれたエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ(HC)に成長した姿を見せるのが、今年の目標の一つだった。だが9月に右脚を負傷。経験則からこの時点で「無理だろう。無理すれば再発する」と自覚した。大切なのは今年よりも来年。15番を背負う責任感が、ジェイミー・ジョセフHCに自重を伝える後押しとなった。

 泣いても笑っても今年の代表活動は終わった。ならば目指すは3連覇しかない。「気持ちよく終わりたいですね」と松島。最後尾の要が、トップリーグで完全復活を果たしてから再びジャパンに戻ってくる。

 ≪沢木監督評価、辛勝も「成長」≫完勝ムードの前半から、後半は2点差まで追い詰められる苦しい試合運びとなったがサントリーの沢木監督は「ファイナルのラグビーを勝ち切れたことが成長」と評価した。反則数は前半3から後半9に激増。ミスも重なり苦しんだが3連覇の可能性を残した。前後半3本のショット選択(PG)も功を奏し、流主将も「いい判断ができた」と振り返った。

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2018年12月2日のニュース