18年ぶり年間3人の初優勝者 世代交代なるかは全て白鵬の状態次第

[ 2018年12月1日 09:00 ]

横綱・白鵬
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 九州場所は小結・貴景勝が初優勝を果たし、2018年の年6場所が終わった。初場所の平幕・栃ノ心の初優勝に始まり、名古屋場所では関脇・御嶽海が初優勝。年間3人の初優勝者が出たのは、2000年の関脇・武双山、平幕・貴闘力、小結・魁皇以来、実に18年ぶりのことだ。

 3人はいずれも関脇以下で賜杯を抱いた。横綱の休場が目立ったということが最大の要因であるのは明白だ。春場所、夏場所は鶴竜、秋場所は白鵬が優勝しているが、白鵬は4場所、鶴竜が2場所、稀勢の里にいたっては5場所で休場となった。壁になる存在がいなければ、優勝争いが混戦となるのは必至。八角理事長は今年一年について、「上位陣の休場が多くなり過渡期になっている。若手がどんどん出てきた」と振り返った。

 平成生まれである25歳の御嶽海、22歳の貴景勝は、今後、大関に昇進できる存在であることは、誰もが認めるところだ。だが、2019年が世代交代の一年になるとは言い切れない気がする。力を付けてきた若手は増えてきているが、第一人者である白鵬を倒すのは容易ではない。世代交代がなるかどうかは、全て白鵬の状態次第だろう。

 白鵬は左足親指の負傷に始まり、名古屋場所では度部屋で足を滑らせて右膝を痛めた。秋巡業中の10月には右膝と右足首を手術した。それでも、前人未到の幕内1000勝を達成した秋場所は全勝で制するなど、地力の違いを見せつけた。年間成績は31勝8敗51休。休みを除いた勝率.795は、鶴竜の.773、高安の.747、栃ノ心の.720を上回る幕内最高となった。白鵬が年間勝率で8割を切るのは05年以来で、横綱昇進後は初めて。それでもトップを維持できた。

 力士が膝を故障した場合、長期化する傾向があるが、白鵬はどうなるのか。2日から始まる冬巡業は最初から参加する。2020年東京五輪までの現役を目指す白鵬にとっても、2019年は勝負の年になる。(スポーツ部・佐藤 博之)

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2018年12月1日のニュース