男子100キロ級 ウルフ アクシデント乗り越え初制覇

[ 2018年11月26日 05:30 ]

柔道グランドスラム大阪大会第3日 ( 2018年11月25日    丸善インテックアリーナ大阪 )

エルナハス(左)を破って優勝したウルフ(撮影・坂田 高浩)
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 男女5階級が行われ、男子100キロ級は17年世界選手権優勝のウルフ・アロン(22=了徳寺学園職)が初優勝した。急激な減量がたたって3回戦終了後に体をつるアクシデントがありながら、栄冠をつかんだ。男子90キロ級は向翔一郎(22=ALSOK)、女子78キロ級は佐藤瑠香(26=コマツ)が制した。

 優勝の喜びはどこへやら。ウルフがきまりが悪そうに打ち明けた。「3回戦の後に全身をつって。大変でした」。ドイツ選手に内股で一本勝ちした後、控室で太腿や腹筋などがけいれんした。

 「経口補水液や塩分を取りました」

 回復した後の準々決勝、準決勝は内股で優勢勝ち。決勝は、先に技ありを奪い、最後は大内刈りでの合わせ技一本。カナダ選手を倒したとはいえ、「3回戦でつるのは良くない」と、反省が残った。

 減量の影響だった。世界選手権は「長い期間で落とした」結果、体調が整わずに5位。今回は「急激に落とした。何が自分に合うか試している」と初めての取り組み。100キロ級のリミットまで、2日前で4・5キロもオーバー。サウナやエアロバイクで汗をかき、クリアしていた。

 「減量後のリカバリーに、何を飲むか考えないといけない」

 安心して炭酸飲料水を飲んだことを後悔した。東京五輪代表争いでは、他をリード。2年後の金メダルへ、技だけでなく、減量方法も確立させる。

 <男子90キロ級>向が一皮むけた。3度の反則勝ちで初制覇し「勝つことを重視して我慢した」と、無理な投げ技を控えたことを勝因に挙げた。4日の講道館杯で3位。知人や指導者に助言を求める一方で高級車BMWを購入したところ「車を買ったらこんなに頑張ろうという気持ちになるんだな」と練習にも身が入った。リオ五輪金メダルのベイカーが敗退する中で存在感を見せた。

 <男子100キロ超級>92年バルセロナ五輪銀メダルの小川直也氏を父に持つ雄勢にアクシデントが起きた。2回戦で技をかけられた際に「ぶちっと音が聞こえた」と左太腿裏を痛めた。延長戦で、一本負け。リオ五輪銀の原沢も2回戦負け。男女合わせてこの階級だけ決勝進出者がおらず、東京五輪代表争いは混沌(こんとん)とする。小川は「結果を出すしかない」と決意を口にした。

 <女子78キロ超級>高校3年生の素根には悔しい銀メダルになった。12年ロンドン五輪金のオルティスに決勝で敗戦。技をほぼかけられず、指導3による反則負けを喫した。「何もできずに終わって、悔しいです」。準決勝では世界選手権優勝の朝比奈に優勢勝ち。東京五輪代表最有力候補に今季3連勝したが、海外勢に屈した。

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