19年W杯へ ジョセフJAPAN、若手成長もBK展開力に課題

[ 2018年11月26日 08:37 ]

ラグビーリポビタンDツアー2018最終戦   日本代表32―27ロシア代表 ( 2018年11月24日    英グロスター )

後半15分、トライを決めるツイ(撮影・吉田 剛)
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 【砂村光信 視点】ラグビー日本代表が24日のロシア戦(英国)に32―27で勝ち、年内の日程を終えた。春はイタリアとジョージアから勝利を挙げ、秋は世界トップレベルのニュージーランド、イングランド相手に健闘した一方、実力差も見せつけられた。8強入りを目指す来年のW杯へ向け、ロシア戦でも見えたチームの現状を本紙評論家の砂村光信氏(元U―23日本代表監督)が分析した。

 ロシアはフィジカルの強さを押し出す極めてシンプルなラグビーで、日本が元々苦手とするタイプでもある。ディフェンスも速く真っすぐ出てくるが、前半の日本は深いラインで回さずにフラットなパスばかりで、プレッシャーを受けていた。密集でも大きな相手に後手に回り、後半にようやく慣れてきたが、試合中はもう少し早めの修正が必要だろう。

 ただし、点差が広がっても主力が慌てなかったように、今のジャパンはチームとしてやるべきことが明確で、自信を持っている。今年はFWの若手が伸びたのも特徴だ。姫野は強豪相手でも前へ行ける選手で、ボールを持つ機会が多い第3列の方が強さを生かせる。フッカー坂手はスローイングが安定し、秋は堀江の穴を埋めた。プロップ具もスクラムが強く、ディフェンス力もあって3番の先発に定着しつつある。ロシア戦では途中出場したロック大戸がラインアウトを全て確保した。

 一方で、バックスの展開力が上がっていないのは気がかりだ。秋は立川不在のCTB陣がゲームをつくれず、ロシア戦も単調な攻撃から切り替えるのに時間がかかった。山田や福岡のように、バックス全体が試合中のコミュニケーションを意識して多彩な攻めを使い分けてほしい。日本も進歩しているが、W杯で対戦するアイルランドはニュージーランドを破っており、強豪国に比べて進歩のスピードは遅い。来春、代表選手のほとんどが参戦するスーパーラグビーのサンウルブズで勝ちパターンをつくり、W杯へ自信をつけたい。

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2018年11月26日のニュース