高安 貴景勝逃がさん!初Vへ大関対決制し勝ち星1差キープ

[ 2018年11月23日 05:30 ]

大相撲九州場所12日目 ( 2018年11月22日    福岡国際センター )

<大相撲九州場所12日目>高安(左)は上手投げで栃ノ心を破る(撮影・中村 達也)
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 大関・高安が優勝争いに踏みとどまった。栃ノ心との大関対決は相手十分の右四つになったが、左からの上手投げで制した。11日目まで2敗だった碧山、大栄翔が相次いで敗れる中、ただ一人2敗を守り、勝ち星を2桁に乗せた。小結・貴景勝は玉鷲を突き落としで破り、単独トップの1敗をキープ。3敗は大栄翔、隠岐の海、碧山、阿武咲の4人となった。

 強く握った左上手に全ての力を込めた。栃ノ心の得意な右四つの体勢から、高安は右下手を離して体を開きながら投げを放った。勢いのついた相手は走るように土俵を割った。豪栄道の休場により今場所唯一となった大関対決で、初優勝への望みをつないだ。

 「立ち合いで踏み込んで、突いてもまわしを取っても前に攻めようと思った。力を出して勝ちたかった」。トップを走る貴景勝との1差を守っても、支度部屋では淡々としていた。感情を表に出さず、報道陣の質問に言葉を選びながら答えた。

 2敗力士が相次いで敗れ、高安にも土がつけばトップを走る貴景勝の独走となるところだった。同じく横綱不在だった名古屋場所は関脇・御嶽海に走られて初優勝で先を越された。今場所も同様の展開を許すわけにはいかない。八角理事長(元横綱・北勝海)は「(貴景勝を含めて)優勝ラインが下がってこないのは立派。高安は大関の仕事をしている」と評価した。

 福岡県大野城市にある田子ノ浦部屋宿舎はこれまで、場所中でも稽古場のシャッターを開けて朝稽古を公開していたが、11日目の朝からは寒さ対策もあってシャッターが閉め切られている。高安は稽古後の取材対応もしていない。「相撲を取ってる時以外はリラックスしている。メリハリをつけて」と話していたが、勝負の終盤戦で集中できる環境をつくり、結果を出した。

 貴景勝とは直接対決を残しており、自力優勝の可能性は消えていない。「明日も悔いのない相撲を取りたい。集中して浮つかないようにしたい」。全力を出し切ることで、看板力士として優勝争いを盛り上げていく。

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