早実、国学院久我山破り82季ぶり花園!歴代最長ブランク更新

[ 2018年11月12日 05:30 ]

第98回全国高校ラグビー大会 東京都予選決勝 ( 2018年11月11日 )

82季ぶりの全国出場を決め、笑顔の早実フィフティーン。最前列中央が相良主将
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 第1地区は早実が国学院久我山を43―19で下し、1936年度以来、82季ぶり6度目の出場を決めた。82季ぶりの出場は、16年度に山口(山口)がつくった64季ぶりを抜く、歴代最長ブランク出場記録。新チームで2連敗中だった相手の攻撃を徹底分析した結果、3トライに抑えて花園切符をつかんだ。第2地区は本郷が目黒学院に勝ち、8季ぶりの出場を決めた。

 周到な準備が完璧にはまり、1月に21―64、5月に21―41で完敗していた相手に完勝。まだ大会が花園ラグビー場での開催ではなかった36年度以来の出場に、就任5年目の大谷寛ヘッドコーチ(HC)は「初出場みたいなもの。想定通りのゲームプランで、それ以上のことを選手がやってくれた」と感無量だ。

 高校日本代表候補2人を擁する相手バックスのライン攻撃を封じることが最重要課題だった。組み合わせが決まった後の2カ月間は徹底的に映像分析。選手個々が分析した情報をチームで共有し、Bチームが国学院久我山になりきってディフェンス練習を積んだ。毎日1時間を超える登校時、研究に精を出したFB小泉(3年)も「(相手選手の)立ち位置で誰が何をしてくるか全部分かっていた。負ける気がしなくて昨晩はよく寝られた」と笑みを浮かべた。

 攻撃では前半6分のスクラムで、WTB今駒(3年)がSH役となりボールインから左サイドを突いて先制トライ。公式戦では一度も使っていなかった日本代表が採用するスペシャルプレーを決めてリズムをつかんだ。パワフルな突破で2トライを挙げたNo・8相良主将(3年)も「想定通りにできた」と早大監督の父・南海夫(なみお)氏似の表情を緩めた。

 過去2年は決勝で敗れ、たどり着けなかった“初の花園”。同校には82季前のゆかりの品なども残されていないという。大谷HCは「ラグビーに関わっている者として、年を越す(3回戦進出)のは一つの夢」と新たな目標を設定。平成最後の大舞台で爪痕を残す。

 ▽1936年度の大会 第19回全国中学ラグビー大会として、37年1月に兵庫県西宮市の甲子園南運動場で開催された。早実は2季ぶり5回目の出場で、他には秋田工、天理中(現天理)、福岡中(現福岡)など全12校が出場。早実は1回戦で京都一商(現西京)に3―19で敗れて敗退した。決勝は培材高普(朝鮮)が9―8で台北一中(台湾)を下し、第1回を除きこれまでで唯一の初出場初優勝を遂げた。また、早実の過去最高成績は28年度の準優勝。

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2018年11月12日のニュース