【岡崎真の目】紀平 3Aの成功率が上がればシニアで優勝争える

[ 2018年11月10日 11:00 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第4戦・NHK杯第1日 ( 2018年11月9日    広島県立総合体育館 )

<フィギュアNHK杯第1日>女子SPの演技をする紀平梨花(撮影・小海途 良幹)
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 紀平のシニアGPデビューは、トリプルアクセル(3A)の転倒、ステップとスピンのレベルの取りこぼしはあったが、大崩れしない精神的な成長を見せてくれた。冒頭の3Aは踏み切り時の動作に鋭さが足りず、結果的に回転速度も遅くなり、転倒につながった。緊張感があったかもしれないが、直後の連続ジャンプを決め、GOE(出来栄え評価)による加点まで引き出したのは立派だった。

 3Aという高難度のジャンプがフォーカスされがちだが、紀平はスケーティング技術や表現力なども細かいところまで高いレベルの選手。その証拠が、5項目の演技点でも平均8点以上の評価を受けたことだ。武器である3Aの成功率が上がれば、今すぐにでもシニアで優勝を争えると思う。

 宮原の自己ベスト更新は、さすがだった。優勝したスケートアメリカのSPは、より基礎点の高い3回転フリップを使ったが、エッジの使い方で減点されたため、基礎点で劣る3回転ループに変えてきた。結果的にGOEによる加点を生み、このジャンプだけで0・81点上積みした。完璧主義者の側面が、得点にしっかり結びついたと思う。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ) 

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