山本草太は6位、右足首骨折乗り越え初GP「楽しんで滑れた」

[ 2018年11月9日 20:36 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第4戦・NHK杯第1日 ( 2018年11月9日    広島県立総合体育館 )

<フィギュアNHK杯第1日>男子SPの演技をする山本草太(撮影・小海途 良幹)
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 男子ショートプログラム(SP)で山本草太(中京大)は、74・98点で6位発進となった。

 16年世界ジュニア選手権の出発直前、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒して右足首を骨折。その後も同じ箇所を繰り返し痛め、計3度の手術を経験した。ようやくたどり着いたシニアのGPシリーズの舞台。冒頭、因縁のトリプルアクセルを決めると、苦闘を知る観客から大歓声が上がる。「緊張はあったけど、アクセルは集中して入れた」とし、「しっかり楽しんで滑れた」と振り返った。

 ルッツ―トーループの連続3回転で乱れ、得点はフィンランディア杯の72・16点を超えたものの、74・98点にとどまった。「点数は見ての通り。74点は低い点数」と言うが、歩んできた道のりを振り返れば、この舞台に立てた喜びがある。「一日一日が長く感じて、その道のりも遠かった実感がある。しっかりたどり着けて嬉しく思っている」と充実の汗をぬぐった。

 かつては4回転ジャンプを跳び、次世代のエース候補として期待されていた18歳。まだトップコンディションには程遠いからこそ、自らを「何のプレッシャーもない選手」と言うが、GPで滑ったことでアスリートとしての欲が芽生えてきた。「たくさん刺激をいただいている。少しずつ、トップに近づかないといけない思いが出てくる」。10日はフリーに臨む。「もっといい演技をしたい思いが強くなった」。一歩ずつ着実に、完全復活への道を歩む。

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