羽生、世界初の4回転トーループ―3回転半着氷!フリーも世界最高点

[ 2018年11月5日 05:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第3戦フィンランド大会最終日 ( 2018年11月4日    ヘルシンキ )

男子フリーの演技をする羽生(撮影・小海途 良幹)
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 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)1位の羽生結弦(23=ANA)は世界初の4回転トーループ―トリプルアクセル(3回転半)の超高難度の連続ジャンプを降り、フリー190・43点、合計297・12点で、今季GP初戦を圧勝した。フリー、合計の得点は前日のSPに続いて今季のルール改正後の世界最高得点だった。

 見せ場は演技の後半だった。羽生は4回転トーループを右足で降りると、左足に乗り換えた。すかさずトリプルアクセルを跳んだ。バランスを崩しそうになりながらも、こらえて世界初の連続技を着氷すると、観客から大歓声が上がった。さらにフリップ―トーループの連続3回転、トリプルアクセルからの3回転サルコーに成功し、計3つの連続ジャンプを基礎点が1・1倍になる後半にまとめきった。

 「(初の大技は)加点がつかなかったのは残念だけど、全部のジャンプを立てたことは大きな収穫になる。初戦としてはいい出来だった」。前半の2つの4回転ジャンプで回転不足があったが、今季の世界最高得点での圧勝。シニア転向から8季連続勝てなかったGP初戦を初めて制し、うなずいた。

 4回転トーループ―トリプルアクセルは足を踏み換えることから、規定で基礎点は0・8倍。17・5点は14点(後半は1・1倍の15・4点)になってしまう。それでもこれまでの4回転―2回転の連続トーループの基礎点10・8点(後半は11・88点)よりも3点以上稼げる。勝負にこだわっての選択だった。

 今季のフリーは憧れのトリノ五輪金メダリスト、プルシェンコさんの伝説的なプログラム「ニジンスキーに捧(ささ)ぐ」をアレンジしたもので、「Origin(原点)」と名付けた。羽生にとってフィンランドは小4だった04年に初めての国際大会で優勝し、12年フィンランディア杯で4回転サルコーに初成功した原点の地。アクセルは「降りた時の達成感がスケートを好きになった大きな要因だった」と語る羽生の原点のジャンプだ。

 原点の地で原点のジャンプの新技を降りた。前日3日が36歳の誕生日だったプルシェンコさんへ恩返しのプレゼントにもなった。この先にあるのは、世界初のクワッドアクセル(4回転半)。現在、練習は一時休止しており「やれても全日本選手権の後かな」と年明けに再開する予定だ。夢の大技成功に向けて前進しているのは間違いない。

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