福岡 NZから“正真正銘”トライ奪う、5年前ビデオ判定に泣く

[ 2018年11月3日 05:30 ]

ラグビー日本代表前日練習 ニュージーランド戦へ汗を流す福岡(撮影・尾崎 有希)
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 ラグビー日本代表は2日、世界ランキング1位のニュージーランドとの対戦を前に、会場の東京・味の素スタジアムで前日練習を行い、WTB福岡堅樹(26=パナソニック)がトライ奪取を宣言した。5年前の対戦では後半ロスタイムにインゴールに飛び込むも、ビデオ判定の結果、ノートライに。10月26日の世界選抜戦でも抜群のスピードでトライを奪ったスピードスターが、忘れ物を取りにいく。

 5年間の成長を測り、リベンジする舞台は整った。福岡は前回対戦時も11番で先発。6―54で迎えた後半ロスタイム、懸命にインゴール左隅へ駆けた。内側から襲いかかったのは、W杯連覇へと導くことになるマコウ主将。トライが先か、押し出されたのが先か。1分間の長いビデオ判定の結果は無情だった。

 「あの時、世界の壁を痛感した。雪辱を果たしたい。普段はチームの勝利ということを言うが、今回はトライを取りたい気持ちがあります」

 届かなかった数センチを埋めるため、あらゆる面で進化を図った。15年W杯前にはオランダ人コーチの指導で、走行フォームの改善に着手。16年前半はリオ五輪を目指して7人制に専念し、スプリントを繰り返す持久力を磨いた。ボールを持っていない時の動きやディフェンス力も大幅に向上。「ある程度、自信はあるが、過信はしない」と話した。

 昨年からスーパーラグビーも経験。以前なら名前負けしていた対戦国にも、普段から世界的プレーヤーと対峙(たいじ)してきたことで「必要以上に相手を大きく捉えなくて済む」とメンタルも成長。15年W杯は緊張もあり“不発”に終わったが、今なら持てる力を100%引き出す精神状態を整えられる。

 この1週間は充実した練習を積んだことで「雰囲気はいい」と金星の予感。5年前は越えられなかったラインを何度も駆け抜けた時、再び日本ラグビー史に金字塔が打ち立てられる。

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2018年11月3日のニュース