白井 男子個人総合7位 追い上げも日本勢23年ぶりメダル逃す

[ 2018年11月1日 05:30 ]

体操 世界選手権第7日 ( 2018年10月31日    カタール・ドーハ )

世界体操選手権第7日 男子個人総合決勝 白井のつり輪
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 男子個人総合決勝が行われ、白井健三(22=日体大)は84・531点で7位、萱和磨(21=順大)は84・765点の6位で表彰台に届かなかった。日本勢が参加した世界選手権の同種目でメダルを逃すのは95年大会以来、23年ぶり。内村航平(29=リンガーハット)が右足首を痛めて不在の中、伝統をつなげなかった。アルトゥール・ダラロヤン(ロシア)が87・598点で金メダルを獲得した。

 体操ニッポンの伝統をつなげなかった。昨年大会で銅メダルを獲得した白井だが、今年は7位。日本協会が米英軍によるアフガニスタン軍事攻撃の影響を考慮し、選手派遣を見送った01年大会を除けば95年大会以来、23年ぶりに日本勢が表彰台を逃した。右足首の状態が思わしくない内村が個人総合を断念する中、代役の萱と世界のライバルに挑んだが、はね返された。

 3位だった団体総合決勝は、床運動の難度を落とした。チームのことを第一に考え、「やりたいことをやるだけが体操じゃない」と受け入れ、この日も「シライ3(伸身リ・ジョンソン)」を外した。14・900点をマークしたが、あん馬で12・533点と得点が伸びず、前半3種目を終えて15位。4種目目の跳馬で15・166点のハイスコアを叩き出したものの、追い上げは及ばなかった。

 床運動、跳馬でのひねりに注目が集まっていたが、他種目でも着実に成長。ジュニア時代、04年アテネ五輪金メダリストの米田功・徳洲会監督に言われた「歩くのは緊張しても失敗しない。演技も歩くようにやればいい」という言葉が、今も心に残る。「自分がやる通しを、歩くレベルにしてやろうと思っている」と白井。週5回の通し演技など豊富な練習量で自信を積み上げてきたが、ライバルも進化していた。

 今大会で国別出場枠を獲得した20年東京五輪の団体総合の代表は、従来の5人から4人に。代表争いを勝ち抜き団体での五輪連覇を達成するためには、これまで以上にオールラウンダーとしての能力が求められる。23年ぶりメダルなしという厳しい現実を糧に、夢舞台へ歩を進める。

 ≪萱は6位≫白井と同学年の萱は6位に終わった。右足首の回復が間に合わなかった内村に代わって出場したが、15年大会の10位に続いて今大会もメダルには届かなかった。団体金メダルの16年リオデジャネイロ五輪は代表入りできず、サポートメンバーとして現地入りし、歓喜をスタンドから見つめるしかなかった。「一生、忘れない思い出」という悔しさをバネに今年の国内選考を勝ち抜いたが、表彰台は遠かった。

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