女子エース村上 個人総合&種目別・床運動で「メダル狙う」

[ 2018年11月1日 05:30 ]

体操 世界選手権第6日 ( 2018年10月30日    カタール・ドーハ )

世界体操選手権第6日 女子団体総合決勝 平均台を終え笑顔の村上(右)
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 女子団体総合の日本は合計160・262点で6位となり、3位以内で得られる20年東京五輪の出場枠には届かなかった。4種目で安定した演技を披露したエースの村上茉愛(22=日体大)は個人総合(1日)、種目別決勝・床運動(3日)でのメダルに照準。171・629点をマークした米国が4連覇を達成した。

 戦いがまだ続くからこそ、エースは前を向く。村上は予選(27日)で個人総合は3位、連覇が懸かる種目別の床運動は2位。女王・バイルスが絶対的な存在で金メダル争いは厳しいが、表彰台は十分に可能。「もったいないミスをしないようにしたい。メダルを狙っていくんで、きちんと取れるようにしたい」と闘志を高めた。

 団体総合決勝では、腰痛を抱えている杉原と梶田がメンバーから外れ、村上、寺本、畠田が全4種目を託された。村上は7月下旬に右足首を痛めて全治3カ月と診断され、大学の集大成となる全日本学生選手権に出場できず、25日には右スネも負傷。万全には程遠い状態だったが、自らをチームの「お父さん」と表現する22歳は、大黒柱として踏ん張り、得点を稼いだ。

 採点が厳しい平均台で出来栄えを示すEスコアで8点超えをマークすると、床運動と跳馬を加えた3種目でチームトップのスコアを叩き出した。チームの「お母さん」と自任する寺本に跳馬と段違い平行棒で大きなミスがあり、目標の団体メダルには届かず。村上は「誰かを責めるわけじゃなく、全員が強くなれば勝てるところにいく」と振り返った。

 今大会で米国、ロシア、中国が東京五輪の出場枠を獲得。来年のシュツットガルト大会では、3カ国を除く上位9チームが得られる東京切符と表彰台が目標になる。「来年、悔しさを晴らすためにも(個人総合と床運動で)メダルに一歩でも近づきたい」。日本女子の“父”は“家族”の思いを背負って、表彰台に立つ。

 ≪寺本、ミスに悔し涙≫22歳の主将が悔し涙を流した。前半2種目を終えて3位・中国と1・868点差だったが、寺本が3種目目の跳馬で大きく乱れ、「こけた瞬間、頭が真っ白になってしまった」と平常心を失い、最終種目の段違い平行棒でも右手がバーから外れるミス。「私だけで2点落としている」と肩を落とした。「もっと気持ちに余裕を持って臨まないといけなかった。来年はメダルだけを見て頑張りたい」。真っ赤な目でリベンジを誓った。

 ≪畠田、初代表で手応え≫初代表の畠田が4種目を大きなミスなく乗り切り、大きな手応えを得た。「初代表としては完璧な演技ができた」。最終種目の段違い平行棒を終えると、安どの涙が浮かんだ。92年バルセロナ五輪男子団体銅メダルメンバーで日体大男子監督の好章氏を父に持つ18歳。「この舞台でミスなくできたのは収穫」とし、「(難度を示す)Dスコアがまだまだ低い」と課題を挙げていた。

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