貴ノ岩・佐藤弁護士が語った「泣き寝入りのような形になり残念」

[ 2018年10月30日 18:25 ]

貴ノ岩
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 元横綱・日馬富士から暴行を受けた幕内・貴ノ岩(28=千賀ノ浦部屋)が慰謝料など約2400万円の損害賠償を求めた訴訟で、貴ノ岩関側は30日、提訴を取り下げた。その理由について、貴ノ岩側は「提訴により母国のモンゴルでバッシングを受けたため」などと説明している。

 担当の佐藤歳二弁護士はスポニチ本紙の取材に現在の心境を明かした。

 ――今回の提訴の取り下げについてどのような感想を抱いているのか。

 日本は法治国家ですから、スポーツ選手が被害を受けた時に、しっかり被害回復してやるのがわれわれの役割。ただ、貴ノ岩関の母国モンゴルは非常に上下関係が厳しい。上の者に対し裁判をすること自体がバッシングの対象。そのことはある程度は聞いていた。ただ、(実際に)提訴することになって、お兄さん、お姉さんら身内の方がもの凄いバッシングを受けるようになった。それで、身内の方から裁判そのものをやめてほしいという強い要請があった。本人は覚悟はしていたが、身内の方は肩身の狭い思いをしている。貴ノ岩関自身、とても耐えられないと。それでいろいろ議論したが、本人の決意が固かった。(結果的に)泣き寝入りのような形になり、法律家として非常に残念。

 ――周りの反応は。

 (提訴前に)一部週刊誌で法外な請求と出たが、スポーツ選手が選手生命を失うような危険にさらされたときに、それを補償するというのは、日本の損害賠償論で当たり前の話。それは判例からも認められている。そんな30万とか50万という示談金を出す話ではなない。そういうことをしっかり説明すれば、みなさん理解していただける。記者会見を開いて説明し、幸い日本国内ではマスコミも含め理解していただけたと思っている。

 ところが、今までの経緯とか考え方をモンゴル国内でも説明するように努力しようとしていたんですけど、何せ裁判を起こすこと自体がいけないということですから。そこに対していろいろ間接的に説得はしたんですが、ここにきて貴ノ岩関自身、自分が損害をかぶることにしたらいいという話になってしまった。弁護士としては、依頼者の意思を尊重せざるを得ませんので。結果的に、みなさんをお騒がせする形になってしまった。

 ――本人は治療費など全額自己負担するのか?

 全部自分が負担しますと宣言している。病院も有名人ですから個室に入ったりしていた。本人の出費だけでも四百数十万かかっている。本人は身内に迷惑をかけるよりは、自分がかぶった方がモンゴル国内で納得してもらえるだろうと。そういう決意ですから、私どもとしてはそれ以上頑張れというのは、ちゅうちょせざるを得ない。

 幸いちょうど1年かかって(番付が)事件前の位置に何とか戻れた。この1年間のブランクはもの凄く大きかった。

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