スケートボード 西村碧莉&詞音 姉妹の力でどんなトリックだって乗り越える!

[ 2018年10月30日 11:00 ]

加藤綾子アナ(右)が見守る中でダイナミックなスケーティングを披露する西村碧莉(撮影・荻原 浩人)
Photo By スポニチ

 【カトパン突撃!東京五輪伝説の胎動】昨年Xゲームのスケートボード・ストリート部門で日本人初優勝を果たした西村碧莉(あおり、17)。昨年10月の左膝十字じん帯断裂というアクシデントを乗り越え、今月開催のオセアニア大会でも銅メダル獲得と完全復活の兆しを見せている。長女・沙菜(さな)さん(22)のサポートも受けつつ、次女・詞音(ことね、19)とともに日本ではなじみの薄い“ヨコノリ”文化を押し広める第一人者。そんなスケーター姉妹と加藤綾子アナウンサー(33)のノリノリトークです!

 ――Xゲームのオセアニア大会で銅メダル獲得!おめでとうございます。7月の米国大会でも銀メダル。安定した強さですね。

 碧莉「表彰台に立つことを目指しているので3位ではあってもうれしかったです。コースは今までに比べてラインも組みにくく、凄く難しかったですね」

 ――海外での試合ははどんな感じですか?

 碧莉「滑り終わったら選手同士がハイタッチ。ライバルであり仲間ですね」

 ――バチバチな関係じゃないんですか(笑い)。独特の文化ですね。

 詞音「みんなノリノリでやってる。海外の選手は体力があるのか、ずっと滑ってます」

 ――米国のレベルは高い?

 詞音「向こうは練習場が広い。いろんなセクションがあって何をしても楽しい。モチベーションが上がります」

 碧莉「小さい子供も上手。基本的なレベルが高い。昔からLAを拠点にしてやりたい夢があるので、できるだけ早く実現したい」

 ――試合はヘルメットやサポーターを着けてやるんですか?

 碧莉「海外では何も着けないでやる。それがスタイルの一環。日本では主催者側から“着けてください”ってお願いされますね」

 ――試合時間はどのくらい?

 碧莉「45秒から1分間。その間に多くて10個くらいの技を入れる。規定は何もなくて時間制限くらいです」

 ――コーチがいない競技なんですね。

 碧莉「ゲームプランはスケーター同士で話し合ったり、きょうだいに相談する。試合会場の図面はあるんですが、着くまで事前には何も分からないので、着いてから初めて何をするか決めます」

 ――それはセンスが問われますね。変な技を入れると「何で、あの技やってるの?」とか言われちゃいそう(笑い)。今日披露してくれた技も難しい?

 碧莉「日本の女子でやってるのは見たことないです。やっていても1人か、2人か…」

 ――す、少ない。私、初めて見たんですけど、あの技が基準になっちゃう。他の選手に「あれ?あの技はやんないんですか?」って(笑い)。最近は女子の層も厚くなった?

 詞音「レベルが上がってきてます。私たちがレールを攻め始めたことで、やる選手が増えた。結構やばいです(笑い)」

 ――それは東京五輪ギリギリまで隠しておくべきでしたね(笑い)。夢舞台まであと1年半ですけど目標は?

 詞音「出られるかな(笑い)。出られるといいなあ。2人で出られるなら頑張ります」

 碧莉「表彰台が目標。皆が楽しそうだな、と思ってくれたらいい。この競技はいつも新たな壁がある。限界がないので楽しいんですよ」

 ――最初から立って乗れたんですか?

 詞音「うつぶせで寝転がって乗ってました。立つのもやっと。1年くらいでレールができるようになった」

 ――手すりに立って…そこを滑り落ちるんですもんね。

 詞音「15段の階段は本当にやばい。頑張って乗ってます」

 ――街中で階段を見かけたら攻略法を考えたりする?

 碧莉「この高さならいけそうとか思いますね(笑い)」

 ――詞音さんの凄いところは?

 碧莉「お父さんに“この技をやってみろ”と言われた時に時間を空けずにやる。私は30分とか1時間くらいウジウジしてる。お姉ちゃんが身近なお手本」

 詞音「ノリが大事で“よしッ”と思ったらすぐやる。ミスしてこけたらどうしようと思うし、足もフワフワしてますけど(笑い)」

 ――碧莉さんの良さは?

 詞音「競技に入るのに時間がかかるのに始めたらすぐにできる。一番センスがある」

 ――お姉ちゃんができるかどうか見極めてからやるって末っ子ですよね(笑い)。

 詞音「そうです。碧莉はとにかくマイペース(笑い)」

 ――長女の沙菜さんはアドバイスを送ったりする?

 沙菜さん「私のスケボーは趣味程度ですけど、海外の選手を見たりして、たまに言います。米国のナイジャ・ヒューストン選手は技の成功率が半端ない」

 ――碧莉さんと詞音さんの違いは?

 沙菜さん「詞音はレールにガンガン突っ込むタイプ。碧莉は割といろんなものを使いながらテクニカル。碧莉の方が点を取りやすくコンテスト向きです」

 ――お父さんもスケートボードをしている?

 碧莉「学生時代に友達と遊んでいたようです。DVDを見てプロスケーターの動きを教えてくれます」

 ――お母さんは?

 沙菜さん「1回だけ滑ったことがある。ケガしそうでもう少しで家事が立ち行かなくなるところでした(笑い)。弟もやってます」

 ――3姉妹で休日を過ごすことは?

 碧莉「たまにカラオケに行きます。GENERATIONSが大好きです。マイク離さない人?ほかの2人じゃないですか」

 詞音「何時間いても飽きない。歌えなくてもとりあえず曲は入れます。カラオケも攻撃的なんです(笑い)」

 ◆西村 碧莉(にしむら・あおり)2001年(平13)7月31日生まれ、東京都出身の17歳。三女。8歳の時に詞音の友人が通うスケートボードスクールに3姉妹で参加。12年に全日本スケートボード選手権レディース部門で優勝。同大会で13年は2位。14、15年に連覇を果たす。17年に第1回日本選手権で優勝。同年に米ミネアポリスでのXゲームで金メダルを獲得。

 ◆西村 詞音(にしむら・ことね)1998年(平10)11月29日生まれ、東京都出身の19歳。13年に全日本スケートボード選手権レディース部門で優勝。同大会で14年は3位、15年は2位。

続きを表示

この記事のフォト

2018年10月30日のニュース