伝統の関京戦 関学大が14連勝、RB山口のTDで勝負決めた

[ 2018年10月20日 05:30 ]

<関学・京大>第4Q、関学の山口がタッチダウンを決める(撮影・岩崎 哲也)
Photo By スポニチ

 関西アメリカンフットボールの伝統の「関京戦」が19日、京都市の西京極陸上競技場で行われた。関学大は京大守備陣の奮闘に苦しみながら、第3Qまでに3本のFGを決めて着々と加点。6点差に追い上げられた第4Q8分27秒には復帰戦となるRB山口祐介(4年)のTDで、開幕から5連勝とした。このカードは05年から14連勝。20日には、立命大と関大の全勝対決がある。

 やはり、このカードには魔物が棲んでいた。第4Q2分34秒にFGを決められ、スコアは9―3。モメンタム(勢い)を失い、TDとTFPで逆転される状況まで追いつめられ、ようやく関学大が底力を発揮した。

 勝利への道を切り開いたのは、帰ってきた背番号34だった。敵陣40ヤードからのシリーズ。パスで10ヤードまで進み、最も相手守備陣の集中力が高まるゾーンで、RB山口が勝負に出る。4ヤードランの後、中央ダイブプレー。初めて刻んだTDで、不屈の京大魂を打ち砕いた。

 「1年生のデビュー戦より緊張した。(TDは)意地だけで取りました」

 最上級生としてエースの働きを期待されながら、近大との開幕戦(8月25日)で負傷。前節までの3試合を欠場した。休んでいる間も、首脳陣の目に届くように全力疾走して出場をアピール。プレーへの飢餓感を宿敵との一戦に昇華させ、103ヤードを走り抜いた。

 山口だけでなく、昨年の甲子園ボウルで負傷し、戦線離脱していたWR松井も復帰。役者がそろった好材料はあっても、鳥内秀晃監督の表情は冴えない。「反則するわ、取れるパスをレシーバーは落とすわ、タックルミスするわ…。逆に京大のファイティングスピリットを見られたし、ええ勉強になったんちゃう」。伝統の「関京戦」は05年以来、14連勝。80〜90年代のような拮抗(きっこう)した力関係はなくても、宿敵から奪う白星の意味は大きい。良薬の1勝。王座奪回の輪郭がおぼろげに見え始めた。

続きを表示

2018年10月20日のニュース