稲森 日本OPが念願ツアー初V!抜群安定感、海外挑戦に弾み

[ 2018年10月15日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 日本オープン最終日 ( 2018年10月14日    神奈川県 横浜CC=7257ヤード、パー71 )

日本オープン最終日 ツアー初優勝の稲森は笑顔でガッツポーズ(撮影・沢田 明徳)
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 首位から出たツアー未勝利の稲森佑貴(24=フリー)が5バーディー、2ボギーの68で回り、通算14アンダーで初優勝した。トータル270は94年(パー72)の尾崎将司、14年(パー70)の池田勇太に並ぶ大会最少ストロークとなった。ツアー初優勝での大会制覇は、09年の小田龍一以来8人目。将来の海外挑戦に弾みをつけた。

 沈着冷静な男が珍しく右手を振り上げた。最終18番。約1メートルの優勝パットを入れた稲森は「よーし!」と叫んで2度ガッツポーズ。念願のツアー初優勝を日本一のタイトルで決めた。「(ガッツポーズは)大きくやろうと決めていた。気持ちいいです。こんなに早く勝つとは正直、思っていなかった」と興奮を抑えきれない様子だ。

 初優勝への緊張から序盤はチャンスすらつくれなかった。5番で第2打をグリーン右に落としてボギー。ノリスに1打差に詰め寄られた。しかし、9番で8メートルのバーディーパットを沈め「そこで落ち着くことができた」と加速。2日連続で池に落としている「鬼門」の13番では第2打をピン左6メートルにつけバーディーでリベンジした。3年連続1位のフェアウエーキープ率はこの日も100%と抜群の安定感を見せ「後半はいい感じでプレーができた」と振り返った。

 今季は、重永、秋吉、出水田と同世代の九州出身選手が初優勝を飾り忸怩(じくじ)たる思いを抱いていた。「悔しさの方が強かったし、焦りもあった」。父・兼隆さん(67)から「彼らを追い越すには、メジャーに勝つしかない」とハッパをかけられ、この大会に照準を合わせた。課題だったパットの練習はラウンド後1時間以上をこなし、2月には合宿で一緒になったパットの名手、谷口徹に弟子入り。「しょんべんみたいな(緩い)パットはするな」と言われながらも「攻めるパット」を磨き上げた。

 「日本一曲がらない」の形容詞はもう古い。「壁」を打ち破って5年シードを獲得した24歳は海外挑戦という大きな野望を抱く。「これで終わりではない。小平さんや松山さんみたいに活躍し、日本のレベルを上げたい」。稲森の視線は、新境地を開拓する戦いへと向けられている。

 【勝者のクラブ】▼1W=スリクソン・Z585(ロフト角9.5度、シャフトの硬さX、長さ44.75インチ)▼3、5W=同ZF85▼3、4UT=同Z・H85(19、22度)▼5I〜PW=同Z585▼ウエッジ=クリーブランドRTX4(50、58度)▼パター=オデッセイ・ワークス2ボールファング▼ボール=スリクソンZ―STAR

 ◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき)1994年(平6)10月2日生まれ、鹿児島県出身の24歳。父親の影響で6歳でゴルフを始める。鹿児島城西高2年時の11年プロテスト合格。14年に出場7試合で賞金シードを獲得。15年から3年連続でフェアウエーキープ率1位。1メートル69、68キロ。

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