神鋼 唯一無敗で決勝Tへ 復帰SOカーター躍動、7GK全て成功

[ 2018年10月14日 05:45 ]

<豊田自動織機・神戸製鋼>前半36分、力強い突破を見せる神戸製鋼・カーター=右(撮影・北條 貴史)
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 ラグビートップリーグは13日、8試合が行われ、神戸製鋼は10トライを挙げて豊田自動織機に66―37で大勝した。左太腿裏の張りから3戦ぶりに先発復帰したSOダン・カーター(36=ニュージーランド)が再三のチャンスメーク。7本のGKを全て成功させて今季通算51得点。得点ランクは首位と2差の3位に浮上した。チームは、リーグ全体で唯一の無敗。赤組首位を守り、各組4位以上が進む決勝トーナメント進出が決まった。

 SOカーターは、味方を生かす天才だ。神戸製鋼前半6トライのうち4つが、ワールドラグビー年間最優秀賞3度受賞のパスが起点になった。左太腿裏の張りから3戦ぶり復帰の6節・豊田自動織機でも、過去2戦と同様に相手を混乱させた。

 「パスか自分で行くのか。何をするのか分からない動きをすることが大事なんだ」

 21―16の前半29分は、その言葉通りのプレー。中央ライン付近で仕掛けると見せかけて、背後に走ってきたCTBアシュリークーパーにパス。2人で崩してSH日和佐がトライを決めた。12点差。以後、一方的になった。

 決して動きがトリッキーなのではない。3トライのSH日和佐は「相手に真っすぐ向いたままだから、どちらにパスするか分からない」と説明する。極めて基本に忠実なのがスーパースターの素顔。タックルもうまい。後半17分に退くまで、GKも7本全て成功。14得点。通算51得点でリーグ3位に浮上した。

 ニュージーランドに残した妻と2人の子どもが日本初観戦をした。家族でユニバーサル・スタジオ・ジャパンにも出掛けた。気分新たにこの1戦を迎えていた。日本文化にも溶け込んでいる。

 「納豆を食べてみたいし、チームには温泉が好きな人もいる。ぜひ行きたいね」

 唯一の無敗で、最終節を残して決勝トーナメントが決まった。03年以来のVへ―。「みんなが頑張っているから」と、手柄を絶対に口にすることがない世界一の司令塔の存在が、なにより心強い。

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2018年10月14日のニュース