宇野、今季世界最高の得点で日本Vに貢献 「織田さんより低い点数を出すと立場ない」

[ 2018年10月7日 05:30 ]

フィギュアスケートジャパン・オープン ( 2018年10月6日    さいたまスーパーアリーナ )

風格漂う演技で高得点をマークした宇野(撮影・長久保豊)
Photo By スポニチ

 日本、北米、欧州の3地域対抗戦は各チーム男女2人ずつのフリーで争い、日本は計621・91点で2年ぶり9度目の優勝を果たした。男子の宇野昌磨(20=トヨタ自動車)は非公認記録ながら今季世界最高となる186・69点で6人中1位だった。同3位相当の176・95点を出したプロスケーターの織田信成さん(31)に引っ張られる形で高得点を叩き出し、2位に終わった昨年の悔しさを払拭(ふっしょく)した。

 平昌五輪銀メダリストが意地を見せた。序盤の4回転フリップで転倒した宇野だが、見事に修正。後半3本のジャンプを全て成功させ、非公認ながら186・69点の今季世界最高得点を叩き出した。「スタートで失敗したけど諦めない気持ちと練習の成果が出た。自分の演技ができた」。ベートーベンの「月光」で滑り終えた20歳は納得の表情を見せた。

 発奮材料があった。自身が滑走する前に日本チームの織田さんが176・95点を叩き出した。宇野が優勝した今季初戦ロンバルディア杯のフリースコア172・05点を上回る高得点だ。5年前に引退した先輩に負けるわけにはいかない。その思いを乗せた演技で“今季最高得点”を出した宇野は「織田さんより低い点数を出すと違う意味で立場がない。現役としていいのかな…と思いながら滑っていた」と苦笑いで振り返った。

 苦い記憶も払拭した。昨年は自身のジャンプミスが響き、6人中3位。日本は合計点で0・42点欧州に及ばず3連覇を逃した。その悔しさも込めて臨んだだけに「去年は間違いなく自分のせいで優勝できなかった。足を引っ張らずに優勝できたのでうれしい」と笑顔を見せた。

 今季のグランプリシリーズは3週間後の第2戦スケート・カナダと第4戦NHK杯に出場予定。今季から冒頭に跳ぶ4回転サルコーが回転不足になるなど修正点も見つかった。「良かったか、と言われると答えづらい。聞かれてすぐに、良かったと言えるくらいにしたい」。本格的なシーズンに向け、再び闘志を高めた。

 <織田さん、先陣きって日本を引っ張る> 日本の先陣を切った織田さんが会心の演技を見せた。いきなり4回転トーループ―3回転トーループの連続ジャンプに成功し、最後は「ヤングマン」のリズムに乗って観客を巻き込んでノリノリだった。得点は宇野に抜かれたが、「凄く頑張り屋で一生懸命。日本男子を引っ張る頼もしいスケーターになった」と後輩の成長に目を細めていた。

続きを表示

この記事のフォト

2018年10月7日のニュース