貴ノ岩、元日馬に異例の2413万円損害賠償請求 会見で“法外”断固否定

[ 2018年10月5日 05:30 ]

貴ノ岩
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 昨年の秋巡業で元横綱・日馬富士から暴行を受け、2場所の休場に追い込まれた幕内・貴ノ岩(28=千賀ノ浦部屋)が4日、損害賠償を求め東京地裁に提訴した。請求額は2413万5256円と異例の高額となった。東京・霞が関の司法クラブで会見した代理人の佐藤歳二弁護士(82)は、逸失利益を積み上げた結果で法外ではないと主張。裁判の場合は元師匠の元貴乃花親方(元横綱)の証人申請の可能性も示唆した。

 会見場には、元貴乃花親方の顧問弁護士が所属する法律事務所の3人の弁護士が並んだ。冒頭で千葉弁護士が会見に至った理由について「昨日発売の週刊誌で当方が法外な請求をしているとの記事が掲載されたため請求の根拠等について会見を行うことにしました」と説明した。

 金額の内訳は、最も高額なのが懸賞金の逸失900万円で次に慰謝料500万円、入院治療費が約435万円となっている。佐藤弁護士は「(貴ノ岩の)幕内の実績から1場所少なくとも60〜70本懸賞が懸かっていた。それを勝率49%で計算すると1場所で30本は得ていたことになる」と話した。懸賞金は幕内の取組が対象。そのため貴ノ岩は5場所で懸賞金を得る機会を逸したとの主張だ。

 しかし、日馬富士側が当初提示した金額は30万円。8月に第三者の斡旋を求め東京簡易裁判書に民事調停の申し立てを行ったが金額は50万に微増しただけだったという。「50万円では入院費用すら出ない。プロの選手がケガをさせられてプロ活動ができなかったときの損害の考え方、根本的にその違い。影響を受けた分だけの被害回復の損害賠償を請求するのは当然」と語気を強めた。

 金額については代理人弁護士が決め「元貴乃花親方には一切相談していない」と明言した。ただ、裁判となった場合、元貴乃花親方の証人申請の可能性があるのかと問われると「私どもはそういうものを避けよう、なるべくなら(裁判は)したくないというのが本音でしたけど、そういう(証人申請が必要となる)展開になる可能性はなくはない」と見解を述べた。

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2018年10月5日のニュース