損害賠償額2413万円 貴ノ岩代理人「法外な請求ではない」 元貴親方の指示は否定

[ 2018年10月4日 13:08 ]

貴ノ岩
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 幕内・貴ノ岩が4日、元横綱・日馬富士に2413万円の損害賠償を求め東京地裁に民事訴訟を起こした。東京・霞ケ関の司法記者クラブで会見した代理人の佐藤歳二弁護士はその額について「法外な請求したわけではない」と強調した。

 示談交渉の過程で当初、元日馬富士側が提示した金額は30万円。その後、公平な第三者の調停委員会のあっ旋による円満な解決を図ろうと東京簡易裁判書に民事調停の申し立てを行い、最終的に出された金額が20万円上積みされただけの50万円だったという。

 「普通の市民生活を戻すためであれば、数十万単位の話かもしれません。でもプロスポーツ選手が(頭に)傷をつけられたわけですから。プロの投手が手首を傷つけられた、スケートの選手が足首を傷つけらたと思ってみてください。(ケガの)プロ活動への影響を考えると、場合によっては選手生命がなくなる原因にもなった。現に貴ノ岩関は(一時は)引退も視野に入れるくらいだった」と語気を強めた。

 賠償請求の打ち分けは、積極損害として入院治療等が435万9302円。逸失利益として(1)幕内と十両の給与差額148万1840円(2)懸賞金の逸失900万円(3)巡業手当の逸失38万円(4)退職時の幕内養老年金等の減の172万円を計上。これに慰謝料500万円と弁護士費用219万4114円を加え、合計2413万5256円とした。

 その中で最も金額の大きい逸失利益の懸賞金については「(貴ノ岩の)幕内の実績から1場所少なくとも60〜70本懸賞が懸かっていた。それで勝率を49%で計算すると、1場所で30本は得ていたことになる」と説明した。

 懸賞金は幕内の取組が対象となるため、貴ノ岩はケガで休場した昨年の九州場所、今年の初場所、さらに十両で取った春場所、夏場所、名古屋場所の5場所で懸賞金を得る機会を逸したことになる。 懸賞の額は1本あたり6万2000円。そのうち事務経費として相撲協会に5300円が差し引かれる。さらに協会が個人名義の預かり金(納税充当金の名目)として2万6700円を徴収。これは年末調整時に納税額の不足が生じて追加徴収される際に充てられるもの。ただ、この余剰金は基本的に引退時に本人に還付されことになっている。こうした金額を除いた3万円が懸賞袋の中に入っている。つまり、手取り3万円と協会の預かり金2万6700円を合わせた懸賞1本につき、5万6700円が1場所で30本以上得られたと仮定し、算出した金額が900万円になったとの主張だ。

 佐藤弁護士はこうした請求金額について、貴ノ岩本人や元師匠の元貴乃花親方(元横綱)からの指示は一切なかったと断言。その上で「金額はわれわれ(弁護士)で決めました」と話した。

 元日馬富士側からは、昨年示談の話があったが、貴ノ岩の被害状況が確定していなかったため保留。その後、元日馬富士が鳥取簡易裁判所から罰金50万円の略式命令を受けて以降、話し合いを重ねてきた。しかし示談が成立しなかったため、民事調停を申し立て。ところが、調停委員会が9月26日と指定した第2回調停期日の当日に、元日馬富士の代理人が突然欠席すると通告してきたため、調停委員会は調停を不調として終わらせたという。

 「(向こうが提示した)50万円では入院費用すら出ない。われわれとしては裁判は避けたかった。でも被害を受けた人が一銭ももらえず、片方は華やかな引退相撲をやって…」と納得のいかない表情を浮かべた。

 ただ、引退相撲を終えた後の元日馬富士の今後の主な活動のベースはモンゴルになるとみられている。裁判になって判決が出ても、すんなり支払いに応じるかは不透明との見方もある。佐藤弁護士は「そういう不安はあります。マスコミの注視する中で(元日馬富士も)行動するでしょうから、そこはある意味、良心に期待しています」と訴えていた。

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