柔道日本 混合団体金 仏圧倒で連覇!東京五輪初代王者へ弾み

[ 2018年9月28日 05:30 ]

柔道世界選手権最終日 ( 2018年9月27日    アゼルバイジャン・バクー )

柔道の世界選手権、男女混合団体で2連覇し、金メダルを手に笑顔の日本選手。(上段左から)向翔一郎、原沢久喜、(中段左から)新井千鶴、素根輝、長沢憲大、小川雄勢、(下段左から)朝比奈沙羅、玉置桃、大野陽子、芳田司、立川新
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 20年東京五輪で初めて実施される男女混合団体戦が行われ、日本は決勝でフランスを4―1で破り、初実施された昨年から2連覇を果たした。男子73キロ級の橋本壮市(27=パーク24)ら3選手が個人戦でのケガのために出場しなかったが、団体代表を含めたチーム日本一丸の戦いでタイトルを死守。一方で個人戦代表だけでの戦いとなる五輪に向け、対策の必要性が浮き彫りになった。

 終わってみれば4試合計16勝3敗で2連覇。しかし準々決勝の地元アゼルバイジャン戦はポイントを先行される苦戦。決勝も女子70キロ級の大野(コマツ)が個人戦銀のガイーに敗れるシーンがあり、女子の増地克之監督は「20年はガラッと変わる。気を引き締めたい」と満足しなかった。

 世界選手権では団体要員として男女各2人の選手を追加できるが、五輪では個人戦代表だけの戦いとなる。この日も個人戦で負傷した男子73キロ級の橋本ら3人は大事を取って出場せず。男子の井上康生監督は、この日の朝礼で66キロ級の阿部(日体大)ら団体戦に出場しない選手を前に「(五輪では)もし73キロ級の選手がケガをしたら出すことになる。心の準備をしろと伝えた」と有事に備えるように伝達したという。

 一方で団体要員は選手強化にはつながっている。昨年の団体代表だった長沢(パーク24)は、今年は個人代表として銅メダルを獲得。同じく女子78キロ超級の素根(福岡・南筑高)も団体戦で大舞台を経験し、今年はアジア大会を制するなど大躍進。女子は個人戦で全9選手がメダルを獲得する史上初の快挙を成し遂げたこともあり、全日本柔道連盟の金野潤強化委員長は「女子は2、3番手の選手が不在だったが、その課題は解消された」と効果を認めた。

 準決勝を戦った南北朝鮮合同チームは男子73キロ級金の安昌林(アンチャンリン)(韓国)を日本戦で温存し、決勝相手のフランスはリネールが不在。各国が腹の探り合いをする中での2連覇だが、柔道発祥国のプライドに懸けて、東京五輪でも金メダルを必ず奪う。

 ▽男女混合団体戦 男子73キロ、90キロ、90キロ超、女子57キロ、70キロ、70キロ超の6階級で実施。試合時間やルールは個人戦と同じで、引き分けはなし。無作為の抽選で決めた階級から始まり、トーナメントを勝ち進むにつれてスタート階級が後ろへと移行する。勝敗が決した時点で打ち切りで、残り試合は実施しない。1試合ごとの勝利内容は最終的なチームの勝敗に関係せず、勝利数が並んだ場合は抽選で選ばれた階級によるゴールデンスコア方式の決定戦を行う。20年東京五輪も同様の形式で行われる予定。

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