新井千鶴が連覇 日本勢2人目の快挙「自分を信じて前に出た」

[ 2018年9月25日 05:30 ]

柔道世界選手権第5日 ( 2018年9月24日    アゼルバイジャン・バクー )

女子70キロ級で2連覇を果たし、金メダルを手に笑顔の新井千鶴=バクー(共同)
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 女子70キロ級の新井千鶴(24=三井住友海上)が決勝でガイー(フランス)を合わせ技一本で破り、連覇を達成した。同階級の日本勢の連覇は01、03年大会の上野雅恵以来、史上2人目の快挙となった。同級で初出場だった大野陽子(28=コマツ)は準々決勝で敗れたが、3位決定戦でペレス(プエルトリコ)を破り銅メダル。また、男子90キロ級の長沢憲大(24=パーク24)も銅メダルを獲得した。日本勢は第5日を終えて、全13選手がメダルを獲得している。

 感情がほとばしった。合わせ技一本で優勝が決まると、新井の目に自然と涙があふれた。畳を下りる前にはスタンドの三井住友海上社員に向かって両手でガッツポーズ。担当の上野順恵コーチも「見たことがない」と驚くほど、普段は冷静な24歳が連覇の喜びを表現した。

 「悔しい思いばかりしてきたのでうれしい。先に技ありを取られたが、ここで終わりにしたくなかった。自分を信じて前に出た」

 決勝は開始10秒、内股を返され、技ありを奪われた。もつれた際に右目のコンタクトが外れたが、はめ直す最中に「呼吸を整えた。そこで落ち着けた」とクールダウン。1分すぎ、再び得意技で技ありを奪い、そのまま抑え込んで一本。「釣り手が持てなくてもいけると思った」と最終シーンを振り返った。

 追われる立場となったこの一年は、4大会で一度も優勝できなかった。元々が両手で組んで投げにいく正統派。まともに組み合ってもらえなくなり、組み手不十分でも技を掛ける練習にひたすら取り組んだ。決勝の技ありも釣り手は相手の背中をつかむのが精いっぱい。磨いてきた技術と力が、ポイントを奪うことを可能にした。

 女子70キロ級の連覇は、所属先の先輩である上野雅恵以来。04年アテネ、08年北京と五輪連覇の先人に続いた新井にも、大きな期待がかかる。「一番欲しいものを手に入れるまで頑張り続けたい」。今大会は大野に続く第2代表。再びトップランナーを奪い返し、東京五輪まで突っ走る。

 ≪女子70キロ級≫大野は準々決勝でニアング(モロッコ)に屈し、頂点への道が閉ざされた。パワーで勝る相手に密着され、組み手を切られた瞬間に小外掛けで一本負け。「2つ持っていれば投げられなかった。絶対に決勝まで行かないといけなかった」と悔やんだ。気持ちを切り替えて銅メダルは確保し「満足はしないけど良かった」と少しだけ安ど。新井には2連勝中と相性は悪くないだけに「次は絶対に勝ちたい」と11月末のGS大阪大会でのリベンジを誓った。

 ≪男子90キロ級≫夏前に膝の半月板を損傷した長沢はその影響もあってか、準々決勝の延長戦でスタミナ切れで指導3を受け敗戦。意地で銅メダルは確保し「3位になることが次につながると思い頑張った。絶対に勝とうという気持ちだった」と話した。昨年は16年リオ五輪金のベイカー茉秋がケガで出場を辞退したが実績不足から繰り上がりの派遣は見送られた。「ベイカーなら優勝していたと思われるので勝ちたかった。また頑張りたい」と決意を新たにしていた。

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