羽生 五輪連覇以来初の実戦、究極目標4回転半へ挑戦が始まる

[ 2018年9月22日 05:30 ]

フィギュアスケート オータム・クラシック第1日 ( 2018年9月20日    カナダ・オークビル )

オータムクラシック本番会場で氷の感触を確かめる羽生(撮影・小海途 良幹)
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 フィギュアスケート男子で五輪2連覇の羽生結弦(23=ANA)は20日、カナダのオークビルで平昌冬季五輪以来初の実戦となるオータム・クラシックの公式練習に参加した。今大会でクワッドアクセル(4回転半)には挑戦しないが、4回転トーループ―トリプルアクセル(3回転半)の珍しい連続技にも成功し、好調ぶりをアピールした。男子ショートプログラム(SP)は21日(日本時間22日)、フリーは22日(同23日)に行われる。

 王者に気負いや重圧はない。男子66年ぶりの五輪2連覇の偉業を成し遂げた2月の平昌以来、約7カ月ぶりの実戦となる今季初戦を前に、羽生は「一つの試合として集中していく。勝ちたいけれど、まずは試合勘を整えて臨みたい」と穏やかな口調で語った。

 五輪後、長期の休養は取らずに競技を続けることを選択した新シーズン。最大の目標は史上初のクワッドアクセル成功だが、今大会は挑戦しない。公式練習ではトーループ、サルコー、ループの3種類の4回転ジャンプを確実に降りた。「今回はループまで。ループまでは気を使わず跳べている」。4回転ジャンプは「秋によせて」を滑るSPではトーループとサルコーの2本、トリノ五輪金メダリストのプルシェンコ(ロシア)の「ニジンスキーにささぐ」をアレンジした「Origin」のフリーでは3種類4本で臨む予定だ。

 昨季は右足首の捻挫に苦しんだが、故障は癒え、順調にジャンプの調子を取り戻している。練習では4回転トーループからトリプルアクセルにつなげる珍しい連続ジャンプまで決めた。国際スケート連盟(ISU)公認大会で成功者がいない大技の成功は、近い将来のクワッドアクセル習得を予感させるものだった。

 今季はルール変更があり、フリーは4分30秒から4分に短縮され、ジャンプも8個から7個に減る。さらに、各要素の出来栄え評価(GOE)はマイナス3点〜プラス3点の幅がマイナス5点〜プラス5点に拡大。「有利とか不利とかは考えていない。しっかり質のいいジャンプを跳べばプラス5点がもらえる」。既に他の大会の結果を見て、美しく正確な技術が評価される感覚も得ている。

 約2カ月前に負傷した右手小指の腫れが気になるが「演技には支障がない」と不安を打ち消した。順調な仕上がりで迎えるシーズン初戦。五輪王者は「一つ一つの出来、質を意識しながらやりたい」と言葉に力を込めた。

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