大坂 2年ぶり4強、凱旋V&日本女子初シーズン3勝へ加速

[ 2018年9月22日 05:30 ]

女子テニス 東レ・パンパシフィック・オープン第5日 ( 2018年9月21日    東京・アリーナ立川立飛 )

東レPPO準々決勝第1セット、大勢の観客を背に強烈なサーブを放つ大坂(撮影・西海健太郎)
Photo By スポニチ

 シングルス準々決勝で世界ランキング7位で第3シードの大坂なおみ(20=日清食品)が、世界25位で第8シードのバルボラ・ストリコバ(32=チェコ)を6―3、6―4のストレートで下し、2年ぶりの準決勝進出を決めた。この日までに第1、第2シードが敗退し、凱旋優勝と日本女子初となるシーズン3勝に向けて視界が開けてきた。22日の準決勝は世界37位のカミラ・ジョルジ(26=イタリア)と初対戦する。

 相手があきれたようにラケットをポーンと放り投げれば、大坂もラケットをフリフリしてイライラを発散した。互いにミスが目立ち、大坂も凡ミスの数が初戦の9本から26本まで大幅に増えた。

 完璧主義者を自任するだけに、以前ならばミスを受け入れられずに自滅してもおかしくなかった。だが全米を制して一皮むけた今の大坂は違う。「いつも完璧にプレーするのは難しい」と割り切り、調子が上がらなかったこの日も「どうしてか理由は分からない」とコート上でむやみに悩むことはしなかった。

 ストリコバはラリーに癖のあるスライスを織り交ぜ、時にはリターンダッシュを見せるなど、あの手この手を尽くしてきた。「やらなきゃいけないのは自分のベストを絞り出していくこと。最高でなくても何とか勝つことができた」。大事なのはミスを許容する心。100%でなくても勝つすべを90分間の試合の中で示した。

 一挙手一投足を注目されるのがスター選手の宿命とはいえ、今後はその髪形にも注目が及びそうだ。世界32位のサカリ(ギリシャ)のコーチを務めるトム・ヒル氏が「ナオミはお団子ヘアにし始めてから負けてないんだ」とツイート。大坂も「その通り。もうポニーテールにするのが怖い」と認めた。

 世界2位で第1シードのウォズニアッキ(デンマーク)が2回戦で姿を消し、この日は第2シードのガルシア(フランス)も敗退した。第3シードの大坂には絶好のVチャンス到来。今季は3月のBNPパリバと今月の全米で優勝しており、シーズン3勝を挙げれば、日本女子最多記録にもなる。「もちろん勝つためにここに来ている。全ての大会で勝てるわけじゃないけど、最高の努力をしていい結果が出るようにしたい」。記者会見では通訳がしゃべっている間にカメラマンにダブルピース。疲れの色は見せても、笑顔と余力と“お団子伝説”はまだ残っている。

 ≪伊達、杉山が2勝≫ツアーでシングルス優勝経験のある日本女子は11人。83年ジャパン・オープンを制した井上悦子が第1号だった。年間複数回の優勝を経験しているのは伊達公子、杉山愛と大坂のみ。伊達は94、96年、杉山は98、03年に2勝を挙げている。

続きを表示

この記事のフォト

2018年9月22日のニュース