白鵬41度目賜杯&幕内1000勝王手、稀勢一蹴!初の綱対決完勝

[ 2018年9月22日 05:30 ]

大相撲秋場所13日目   ◯白鵬―稀勢の里● ( 2018年9月21日    両国国技館 )

稀勢の里(左)を攻める白鵬。寄り切りで破る
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 単独トップの横綱・白鵬が3敗の横綱・稀勢の里を寄り切り、初日から13連勝とした。横綱同士としての初対決で、相手の長所を封じた完勝劇。14日目の結びの一番で大関・豪栄道に勝てば、41度目の優勝と幕内通算1000勝の偉業を同時に達成することになる。横綱・鶴竜を破った豪栄道と高安の大関陣が2敗で追走。カド番の大関・栃ノ心は平幕・正代に敗れて6敗目を喫した。

 10場所ぶりに実現した両者の対決は、白鵬の完勝だった。稀勢の里を寄り切った土俵上、白鵬は相手を抱えたまま勝利を実感するように2度うなずいた。引き締まった表情のまま、懸賞をわしづかみにした。「ここまでよく戦ったと思いますよ」。支度部屋でひと息ついた最強横綱は、進退を懸けて今場所に臨んだ相手を称える余裕すら見せた。

 厳しい立ち合いはこの日も変わらなかった。踏み込みながら右で張り、右を固めて稀勢の里の左を封じる。次の瞬間、左を差し、呼吸する間もない攻めで一気に出た。「あの形で1年前、負けてますからね。それにもう一回チャレンジした形です」。腰高の相手に圧力を強め、体を寄せながら右も差して完勝し、「厳しさあったかな」と相好を崩した。

 最後の対戦となった昨年初場所は、土俵際で逆転負け。ここ最近は3連敗しており「チャレンジャーでいった」という。集中力を極限まで研ぎ澄ませた一番は、がむしゃらに白星を勝ち取ってきた相手をのみ込んだ。その内容に八角理事長(元横綱・北勝海)は「相撲を取らせないよね。左差しを厳しく封じているよね」とうなった。

 「楽しみ」だった和製横綱との決戦を制し、「気持ち良かったです」と涼しげな表情。優勝のマジックを1とし、14日目は豪栄道に勝てば幕内通算1000勝の大記録に到達する。改めてダブル偉業を目前とした希代の横綱は「そうですか。頑張ります」と口元を引き締めた。

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