稀勢、御嶽下し2桁勝利王手 納得白星 白鵬と“綱初対決”へ

[ 2018年9月21日 05:30 ]

大相撲秋場所12日目   ○稀勢の里―御嶽海● ( 2018年9月20日    両国国技館 )

御嶽海(手前)を攻める稀勢の里(撮影・郡司 修)
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 進退を懸ける横綱・稀勢の里が2桁勝利に王手をかけた。関脇・御嶽海を寄り切って連敗を免れ、9勝3敗。幕内通算713勝とし、日馬富士を抜いて単独史上6位となった。横綱・白鵬はカド番大関の栃ノ心を一蹴して12連勝。横綱・鶴竜が大関・高安に敗れたため、後続とは2差に開いた。13日目は、稀勢の里が横綱昇進後初めて白鵬と対戦する。

 47本もの分厚い懸賞金を受け取ると、口を真一文字に結んだ稀勢の里がうなずいた。それだけ納得していたのだろう。横綱らしい堂々とした姿で、花道を引き揚げた。

 土俵上でも落ち着き払っていた。右から張って左差し。左からのすくい投げで上手を切ると、体が離れたところから再び左四つに。左でかいなを返しながら右上手を取り、粘る御嶽海を振り切った。結びまで残って相撲を見ていた阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)は「今日の相撲は良かったんじゃないか。四つになれば力が出る。重みも出てきたと思う」と横綱本来の姿に戻ってきていることを感じ取っていた。

 横綱でワーストの8場所連続休場で、直近は3場所連続全休。土俵から離れていた名古屋場所で優勝したのが御嶽海だった。台頭してきた若手を、8月14日の岩手県奥州市、同22日の東京都立川市の夏巡業で稽古相手に指名。「この前やった時とは全然違う。力をつけている」と評価した上で、「自分も負けられない気持ちで稽古をしていた。少しでも勢いが欲しいと思って稽古していた」と発奮材料にした。昨年名古屋場所では一気の攻めに屈したが、1年2カ月ぶりの対戦で強さを示した。

 節目の10勝まで、あと1勝。13日目は横綱10場所目で初めて白鵬と激突する。対戦成績は16勝43敗ながら、最近は3連勝中。昨年初場所千秋楽は土俵際の驚異的な粘りで勝ち、横綱昇進を確実にした。日に日に口数が減ってきている稀勢の里は、今後に向けて「あと、3日ですからね」とだけ話した。多くの言葉はいらない。土俵の上で全てを見せつける。

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2018年9月21日のニュース