琴乃 涙のツアー初栄冠、ベスト64で逆転!「恩返しできた」

[ 2018年9月17日 05:30 ]

女子ゴルフツアー マンシングウェア東海クラシック最終日 ( 2018年9月16日    愛知県 新南愛知CC美浜C=6446ヤード、パー72 )

マンシングウェア東海クラシック最終日 優勝インタビューで感極まり涙の香妻(撮影・井垣 忠夫)
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 首位に3打差の10位から出たプロ8年目の香妻琴乃(26=サマンサタバサ)が最終日のベストスコア64をマークし、通算15アンダー、201で涙のツアー初優勝を飾った。“黄金世代”新垣比菜(19=ダイキン工業)ら4人が通算14アンダーの2位。アマチュアの安田祐香(17=兵庫・滝川二高3年)が賞金女王・鈴木愛(24=セールスフォース)と並ぶ通算12アンダー、6位に入る健闘を見せた。

 プレーオフに備える練習グリーンで聞いた朗報。松村卓キャディーから「ゴルフをしてて良かったね」と声を掛けられ、香妻の目から涙がこぼれ落ちた。

 「泣くつもりはなかったんですけど…。ゴルフが凄く嫌いになった時期もありました。こういう日が来たのが凄くうれしくて」。傍らでは苦楽を共にしてきた父・尚樹さん(54)がやはり涙を流していた。「ちょっとは恩返しができたかな」。2人抱き合って再び泣いた。

 首位と3打差の最終日。目の前を走るのは鈴木愛、アン・ソンジュら歴戦のつわものたち。しかし、この日の香妻は「パーでいいと思った瞬間は一度もありませんでした」と攻めのゴルフを貫いた。小さい頃から兄弟のように育った出水田大二郎が3週前のRIZAP・KBCオーガスタでツアー初V。テレビで見た勇姿も自分に重ね、最終18番では右ラフから121ヤードの第2打をPWでピン右2・5メートルに運んだ。この日8個目のバーディー。格上のライバルたちを振り切った。

 2度プレーオフに進出しながら優勝を逃した14年。当時22歳で絶頂期にあったのに、この年の10月に腰痛を発症。これが後のスランプの発端となった。寝返りもできない。歩けない。せきをしても痛む。負の連鎖はパッティングにも及び1メートルの距離にも苦しんだ。昨年はツアー予選会にも失敗。黄金世代など若手が台頭する中、埋没の危機を迎えていた。

 香妻を救ったのは14年当時の自分。ファンから送られた映像を基にグリップを再現すると当時の感触と自信がよみがえった。「まだ1勝。次はメジャーで勝ちたい」。地元宮崎で開催される11月のLPGAリコー杯Vが新たな目標となる。

 ◆香妻 琴乃(こうづま・ことの)1992年(平4)4月17日生まれ、鹿児島県鹿屋市出身の26歳。父・尚樹さんの影響で3歳からゴルフを始め、横峯さくらの父・良郎さんが主宰する「めだかクラブ」に入会。宮崎・日章学園高を経て2011年のプロテストに合格。13年ANAプリンセスカップなどステップアップツアーでは2勝。美人ゴルファーとして人気は高く、スポンサーは7社。1メートル57、58キロ。

 【勝者のクラブ】▼1W=スリクソンZ785(ロフト角9.5度、シャフトの長さ45インチ、硬さS)▼3、7W=スリクソンZF85(15、21度)▼4、5U=スリクソンZH65(22、25度)▼6I〜PW=スリクソンZ585▼ウエッジ=クリーブランドF―フォージド2(48、52、58度)▼パター=オデッセイ・プロタイプ1フォージド・ミルド(ピン型)▼ボール=スリクソンZ―STARシリーズ・プロトタイプ

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