日体大 駅伝監督をパワハラ行為で解任 脚蹴るなど暴力も確認

[ 2018年9月13日 05:30 ]

今年の箱根駅伝復路ゴール後にあいさつする渡辺氏(前列右端)
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 箱根駅伝70回連続出場の名門、日体大は12日、陸上部駅伝ブロックの部員に対する暴力、パワーハラスメント行為で渡辺正昭監督(55)を11日付で解任したと発表した。渡辺監督はパワハラ行為の事実をおおむね認めているものの、不適切な行為との認識が乏しいため、日体大は「学生指導の適性に欠ける」として同監督から提出された辞任願を受け取らず解任を決定。また、同日までにコーチも部を辞めていたことが分かった。

 日体大によると、学生への聞き取り調査で渡辺監督が脚を蹴る、胸ぐらをつかむなどの暴力行為や「大学をやめろ」などと人格を否定するような言動が複数確認されたという。同監督は15年3月に就任したが、13年3月まで指導した愛知・豊川工でも部員に体罰を繰り返したとして、停職処分を受けていた。

 チームは長野県内で合宿中だったが、渡辺監督が自宅待機となった7日から合宿を切り上げた9日まで指導者はおらず、大学はアスレティックトレーナーを派遣したという。陸上関係者から「駅伝まで1カ月を切った段階で、学生だけでメニューを組んで練習するというのは負担が大きい」との声も上がっている。

 後任監督には2013年の第89回大会でチームを優勝に導いた別府健至前監督らの名前が挙がっているが、大学陸上界の名門校が学生3大駅伝初戦の出雲駅伝(10月8日号砲)を前に、指導者不在という異例の事態で大会を迎える可能性も出てきた。

 ▽日体大陸上部 1926年(大15)創部。箱根駅伝では歴代5位の優勝回数10回を誇る。89回大会では予選会を経て、本戦で30年ぶりの総合優勝という下克上を達成した。主なOBは91年東京世界選手権男子マラソン金メダルの谷口浩美ら。

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2018年9月13日のニュース