数字で見る女子決勝 破壊力のセリーナと我慢の大坂

[ 2018年9月8日 13:58 ]

決勝進出を決めた大坂なおみ (AP)
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 4大大会の日本人初優勝に挑む第20シードの大坂なおみ(20=日清食品)と、歴代最多タイの24回目の優勝が懸かるセリーナ・ウィリアムズ(36=米国)との女子シングルス決勝は、日本時間9日5時から行われる。女子で群を抜くパワーを持つ両者だが、今大会ここまで6試合の試合データを分野別に比較すると、その戦いぶりには違いも見えてくる。

 【サーブ】

 どちらも最速200キロ超の弾丸サーブをもつが、破壊力ではS・ウィリアムズに一日の長がある。

 エースの数はS・ウィリアムズが全体1位の64本で群を抜いており、同4位の大坂は27本。相手に返球されなかった第1サーブもS・ウィリアムズが52%で、40%の大坂を上回っている。

 第1サーブの確率は両者とも61%、同得点率はS・ウィリアムズが全体1位の78%。大坂も72%と高いレベルを保っている。第2サーブ得点率になると大坂が全体2位の59%。1位は1回戦敗退の選手のため、実質的には大坂が1位で以前の弱点が大きく改善している。S・ウィリアムズは51%。

 【リターン】

 リターンの返球率、相手の第1サーブでの得点率、第2サーブでの得点率にほとんど差は見られない。ブレークポイントの獲得率もともに59%で、46本中27本と回数まで不思議と一致している。

 大きく違うのはリターンエースの数。大坂の7本に対してS・ウィリアムズは24本。隙あらばリターンから積極的に打ってくるS・ウィリアムズの姿勢が伝わってくる。

 【ストローク】

 決定打の数はS・ウィリアムズが200本を数え(29%)、断トツの1位。大坂は97本(15%)で42位。今大会繰り返し言っている「我慢」の姿勢が数字からも伝わってくる。フォアハンドとバックハンドでは、S・ウィリアムズが決定打、凡ミスともにフォア側が多く、大坂はどちらもほとんど差がない。

 ベースラインでのポイント獲得率は両者ほぼ同じなのに対し、ネットに出た回数は圧倒的に違う。大坂の27回に対してセリーナは70回。準決勝では28回もネットに出て、新たなスタイルを示した。こうした戦術もあって1ポイント当たりの走行距離はS・ウィリアムズが9・29メートルで、大坂の10・95メートルよりも短くなっている。

 【試合時間】

 両者とも比較的スムーズに勝ち上がってきた。S・ウィリアムズは合計7時間38分で、失セットは1、失ゲームは30。大坂は7時間22分と少し短く、失セットは1、失ゲームは28とほぼ変わらない。試合における肉体的な消耗度はそれほど違わなそうだ。

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2018年9月8日のニュース