松岡修造氏、頭使っていた大坂 決勝はもっと前に出て攻撃的に

[ 2018年9月8日 08:08 ]

テニス全米オープン第11日   女子シングルス準決勝 ( 2018年9月6日    ニューヨーク・ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

女子シングルス準決勝 マディソン・キーズと対戦する大坂なおみ(AP=共同)
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 【松岡修造の目】よく走った。頭を使った。そして我慢した。今大会を通じて大坂さんはこの3つがとてつもなく進化した。

 準決勝もこれまでなら強引に打っていたボールを無理せずにつないだ。しかもそのボールがとにかく深い。深いから相手の攻撃を防ぐことができた。

 キーズが得意なフォアの高いところも打たせないようにしていた。試合後に聞いたら「頭を使った」と言っていた。その場の思いつきで強打をしていくのが彼女の魅力だった。それがこれほど計算してポイントを組み立てている。間違いなく進化した。第1セットの第4ゲーム、キーズのプレーが良くて0―40になった。これをしのいだ時に、もう大坂さんの勝ちだと思った。

 決勝戦は正直に言うと厳しい戦いになると思う。練習を見ていてもS・ウィリアムズは本当にうまい。今大会中も暑い中でずっと走りながら練習している。準決勝では28回もネットに出た。隙あらばネット。元々攻撃的だったのが、より攻撃的になっている。決勝でも同じように戦ってくるだろう。じゃあ何をしないといけないか。「patient=我慢」だけでは勝てない。大坂さんはよく「前に」と言っている。これが必要。より内側に入って攻撃的にならなきゃいけない。

 キーズ戦ではネットに出られる場面でも行かなかった。行く必要のない相手だった。でも同じように待っていたらS・ウィリアムズは絶対に来る。今日のプレーでは勝てないと僕は思う。全て行く必要はない。その姿勢を見せることでS・ウィリアムズを食い止めなきゃいけない。(スポーツキャスター)

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2018年9月8日のニュース