錦織、酷暑の消耗戦制し8強!チリッチに雪辱を果たして4強だ

[ 2018年9月5日 05:30 ]

テニス全米オープン第8日   男子シングルス4回戦 ( 2018年9月3日    ニューヨーク・ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

男子シングルス4回戦でフィリップ・コールシュライバーを下した錦織圭
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 敵は目の前だけでなく、頭の上にもいた。錦織は試合が終わると、その場にへたり込んでコートに両手をついた。「久しぶりにきっついなと思う試合だった」。3セットでのストレート勝ちとはいえ、酷暑ルールが適用された暑さの中で体力は想像以上に削り取られていた。

 3回戦までは夕方から夜の涼しい時間帯に組まれた試合だったが、4回戦で初めて日差しのきついコートに立った。第2セット序盤にはドクターを呼び、シャツの襟を立てて首を隠し、少しでも暑さを和らげようとした。お構いなしに突き刺さる直射日光。「集中するのが難しく全ポイントをフルで戦うことはできなかった。細かい判断力がどんどん奪われていった」と厳しい条件下での消耗戦となった。

 「もうろうとしていたけど、がむしゃらに次のポイントだけを考えてプレーした」とバックのストレートを効果的に使い、相手のフォア側を攻めた。コールシュライバーも本調子ではなく、得意なはずのバックハンドでさえミスを連発した。錦織は第1、第2セットを奪い、第3セット終盤の相手の反撃もしのぎきった。

 試合後はテレビを見ながら大坂の8強入りを応援した。錦織はこれが4大大会9度目の8強入りとあって、もはや特別な喜びはない。準々決勝の相手は第7シードのマリン・チリッチ(29=クロアチア)で、全米では14年の決勝以来の顔合わせとなる。「チリッチとの対戦はいつも特別。あの決勝戦を思い出す」。4年前の雪辱を果たした先にまた優勝のチャンスが見えてくる。

 【14年全米オープン決勝VTR】4大大会初の決勝進出だった第10シードの錦織はここまで5勝2敗と分のいい第14シードのチリッチと対戦。第1セットの第1ゲームでいきなりブレークポイントを得たが、その好機を逸した。優勝を意識するあまり、緊張で動きが硬くなってミスを連発。終始チリッチのペースとなり、3―6、3―6、3―6のストレート負けを喫した。

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