勝木 ドタバタ金!5分間ペナルティーでV争い後退から大逆転

[ 2018年8月31日 05:30 ]

アジア大会陸上・男子50キロ徒歩 ( 2018年8月30日    ブンカルノ競技場ほか )

<アジア大会陸上>男子50キロ競歩、金メダルを獲得し笑顔の勝木隼人(撮影・小海途 良幹)
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 男子50キロ競歩は、初出場の勝木隼人(27=自衛隊)が4時間3分30秒で優勝し、金メダルを獲得した。先頭を争っていた後半、3回目の警告でピットレーンに入り5分間の足止めを受けたが、終盤に逆転。日本勢が同種目で金メダルを獲得するのは14年仁川大会の谷井孝行に続き、2大会連続となった。

 山あり谷ありの50キロだった。一時は4位まで落ちながら大逆転V。勝木は「うれしいが歩型の甘さを露呈した。ちょっと複雑な気分」。初の国際タイトルは少しほろ苦かった。

 トップ争いをしていた34キロ付近。歩型違反により3枚目の警告を受けた。警告を3枚受けると、ピットレーンで5分間の一時待機しなければならない。それでも「まだ16キロあるし、5分差なら追いつける」と自分の歩きに徹して頂点に立った。

 競技人生もレース同様、楽あれば苦もあった。競歩選手に転向した東海大時代に才能が開花し、インカレ2連覇など学生トップに上り詰めたが、まさかの就職浪人に。浪人期間中は福岡の実家で練習した。合間にはヤフオク!ドームでアルバイトも経験。翌年に自衛隊に入隊したが、訓練が続き満足な練習は積めなかったという。卒業して3年目で体育学校へ所属すると、国内外で再び結果が出始めた。「勝木は終わったと思われるのがつらかった」と振り返る。

 金メダルを獲得したことで来年の世界選手権代表が内定した。同大会で日本人上位3人に入りメダルを獲得すれば東京五輪出場が決まる。「まだまだ改善するところがある」。東京五輪に向けて、もうひと山を越える覚悟だ。

 ◆勝木 隼人(かつき・はやと)1990年(平2)11月28日生まれ、福岡県出身の27歳。東海大2年時に競歩に転向し、インカレ2連覇するなど才能が開花。卒業後は自衛隊に所属し、昨年の全日本50キロ高畠大会で初優勝し、今年5月の世界チーム選手権で個人2位。階級は3等陸曹。1メートル68、60キロ。

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