アーチェリー日本 弾みの金!東京五輪新種目の初代王者に

[ 2018年8月28日 05:30 ]

アジア大会アーチェリー混合リカーブで金メダルを獲得した杉本(左)と古川
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 ジャカルタ・アジア大会アーチェリー混合リカーブ決勝が27日に行われ、ロンドン五輪個人銀メダルの古川高晴(34=近大職)と杉本智美(23=ミキハウス)組で出ている日本が北朝鮮に勝ち、この種目の初代王者に輝いた。情報が少ない相手を6―0で圧倒。正式種目入りする2020年東京五輪へ向けて弾みを付けた。

 情報が少ない不気味な北朝鮮組を、第1セットで黙らせた。先攻の日本は、杉本がいきなり中心の10点を射抜いた。これが効いてこのセット競り勝った。流れをつかんだ2セット目は2人とも2射続けて10点。3セット連取で圧倒した。

 「初めてアジア大会でミックス(混合)が生まれて、メダルが獲れた。2020年につなげたい」

 23歳の杉本は2年後に目を向けた。予選の成績でペアが決まるため、この2人でいつも戦うわけではない。しかし、5月のW杯トルコ大会を制したように杉本の強さは知れ渡っている。

 近大OBのペアだったが、84年生まれで、12年ロンドン五輪個人銀メダルの古川が、11歳差離れた後輩をリード。豊富な経験から、決勝戦は会場の雰囲気が一変することを教えた。「カメラのシャッター音が凄い。でも、五輪はこの1・5倍、東京五輪は3倍になるんだよ」。杉本は、団体戦でメダルを逃した後、恩師の近大・山田秀明監督に「私の責任です」と泣いて電話をしたほど繊細な一面がある。それが「事前に教えてくれるのがうれしい」と気持ちが楽になり、10点を取った1射目につながった。

 東京五輪で正式種目入りをすることもあって、アジア大会でも新設された。最強・韓国が8強で敗れて対決しなかったとはいえ、レベルが高いアジアで初代王者に輝いたことは「大きな意味がある」と、田中伸周監督(52)は語る。20年への明るい材料になったのは確かだ。

 ▽アーチェリー混合団体戦 男女1人ずつのペアで戦う。チームは予選ラウンドの男女最上位者2名で構成される。1セット4射(1人2射)を最大4セット行う。各セットで得点が高い方が2ポイント、同点は1ポイント獲得。先に5ポイント獲得した方が勝ちになる。同点の場合は、2人がそれぞれ1射ずつし、合計点が高い方が勝ちとなる「シュートオフ」で勝敗を決める。

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