男子マラソン25日号砲 井上、高温多湿レース制し東京に弾み

[ 2018年8月24日 09:15 ]

ジャカルタ・アジア大会

アジア大会マラソン練習で聖火を横目に走る井上(撮影・小海途 良幹)
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 2020年東京五輪開幕まで、24日で700日となった。自国開催の五輪で復権を目指す日本マラソン勢は、真夏に行われているジャカルタ・アジア大会に出場。男子は25日、女子は26日にジャカルタ市内のブンカルノ競技場発着の周回コースで午前6時(日本時間同8時)にスタートする。高温多湿で“仮想2020”ともいえる過酷な条件のレースで金メダルを目指す、17年世界選手権代表の井上大仁(25=MHPS)が東京五輪への先陣を切る。

 レースを2日後に控えたこの日、マラソン代表は早朝からジャカルタ市内のコースを下見した。この日の午前9時時点の気温は26・2度で湿度75%。ちなみに東京の同時刻の気温は30・6度で湿度は73%だった。井上は「日本よりは涼しいので、気持ちはポジティブに持ちたい」と印象を口にした。

 通常、夏は気温が低い高地などで合宿を行う選手が多く、インドネシアのような熱帯地域で試合に出場する選手はまれ。アジア大会は東京五輪の出場権にはつながらないが、暑熱対策のテストになる。井上は「環境の良いレースばかりを経験しても、強さが身に付かないというのが自分なりの考え」と出場を決意した経緯がある。日本陸連の河野匡長距離マラソンディレクターも「シナリオ通りいけば、井上はもう1ランク上に行く。20年を見据えた判断だと思っている」と評価する。

 東京五輪マラソン代表は、来年9月の選考大会でまずは2人が決まる。「アジアでしっかり勝負して、勝って金メダルを獲りたい」と井上。ジャカルタから東京への戦いは始まっている。

 ◆井上 大仁(いのうえ・ひろと)1993年(平5)1月6日生まれ、長崎県出身の25歳。中学時代から陸上競技を始め、長崎・鎮西学院高から山梨学院大に進み、1年時から主力として箱根駅伝に出場した。卒業後はMHPSに所属。17年ロンドン世界選手権では26位。18年東京マラソンでは自己ベストの2時間6分54秒をマークした。趣味は折り紙。1メートル65、51キロ。

 ▽マラソン東京五輪への道 男子は国内主要5大会(北海道、福岡国際、東京、びわ湖毎日、別府大分)、女子は国内主要4大会(北海道、さいたま国際、大阪国際、名古屋ウィメンズ)で資格を満たした選手と、一定基準を満たしたワイルドカードの選手が代表選考会に当たるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を得る。19年9月15日に行われるMGCでは2人が代表に決定。もう一人は19年冬以降の「MGCファイナルチャレンジ」対象の3大会で設定記録を上回り最速タイムを出した選手となる。

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