松山、“脱力プレー”で不振から脱却へ「期待してないので楽」

[ 2018年8月9日 05:30 ]

練習ラウンドで調整する松山英樹
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 男子ゴルフの4大メジャー最終戦、全米プロ選手権が、9日にミズーリ州のベルリーブCCで開幕する。日本のエース松山英樹(26=LEXUS)は7日、雷雨による中断もあった中、宮里優作(38=フリー)と9ホールをラウンド。パットを中心に入念に調整した。優勝争いしながら、最終日の中盤に崩れて悔し涙を流してから1年。逆境で強さを発揮してきた男がひそかに雪辱に闘志を燃やしている。

 午後0時15分、ティーグラウンドに立った松山がショットを打とうとした瞬間、サイレンが鳴った。雷雲の接近によりプレーは中断。「打たなくてよかった。取りに行くのが面倒くさいので」と松山も苦笑いだったが、1時間半後に再開された練習ラウンドでは、宮里と入念にコースを確認した。今季最後のメジャー。目標を問われると「自分に期待していないので楽ですよ。とりあえず36ホールやること」と自嘲気味に答えた。

 1年前とは状況は明らかに違う。ブリヂストン招待を制して臨んだ昨年は、最終日2位発進も終盤に失速し5位。あと一歩でメジャー制覇を逃し、悔し涙を流した。今年はメジャーで結果を残せず、7月の全英オープンは予選落ち。前週のブリヂストン招待は39位に終わり、昨年1位だった大会の優勝予想ランキングも圏外だった。

 発せられるコメントは相変わらず消極的だが、「言葉ではそうやって言ってるけど、やったら気合も入ってくる。メジャーなので結果は出したい気持ちは少なからずあるけど、ここまでずっと悪いので、何かきっかけが見つかれば」とメジャータイトルへの思いは強い。一緒に回った宮里も「調子は悪いかもしれないが、ラウンドはいい感じだったし、体の状態も昨年よりいいと思う」と断言。続けて「本人はあまりマイナスには考えず、先を見据えていると思う」と胸中を代弁した。

 この日のラウンドでもショットは安定しており、鍵となるのはパットか。練習では昨年使用したマレット型のパターも試すなど、あの手この手で逆境からの脱出を模索している。

 ▽昨年の松山の全米プロ選手権 第2Rにメジャー自己最少スコア64をマークし、首位。第3Rは2位に後退して迎えた最終日。6、7番の連続バーディーで一時は首位に立ったが、11番から痛恨の3連続ボギー。14、15番で連続バーディーで挽回するが、難関の16番でボギー。18番でも1つ落とし、首位から3差の5位でフィニッシュ。悔し涙を浮かべた。

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2018年8月9日のニュース