貴ノ岩　十両Ｖ　幕内復帰へ　貴親方から愛のムチ「まだまだ」

大相撲名古屋場所千秋楽 （ 2018年7月22日    ドルフィンズアリーナ ）

隆の勝（右）を引き落としで下し、十両優勝を決めた貴ノ岩（撮影・椎名　航）
Photo By スポニチ

　ようやく結果を出した。貴ノ岩は十両の優勝決定戦で隆の勝と対戦。立ち合いから押し込まれながらも、右を差して土俵中央まで盛り返し引き落とし。１３年初場所以来２度目の十両Ｖを飾った。

　「うれしいです。勝っても負けても思い切りやろうと思っていました」。昨年の秋巡業で元横綱・日馬富士に酒席で暴行を受け頭部を負傷。九州場所と初場所の休場に追い込まれ春場所から復帰した。だが「２場所も土俵から離れると思うように体が動かない」と感覚が戻らず、勝ち越すのがやっと。それから「もう一度上で頑張りたい」と決意を新たに貴景勝、貴源治ら弟弟子との稽古に励んだ。「今場所は体も動いていた。稽古ができるようになったのが一番。師匠（貴乃花親方＝元横綱）からは“いつも通りやるだけ”と言われていました」と振り返った。来場所は５場所ぶりの幕内復帰が確実で番付も１０枚目前後まで上がる見通し。「三役を目指したい。巡業にも出ます」と話す弟子に師匠の貴乃花親方は「まだまだです。まだ本領発揮していません」とさらなる精進を求めた。

　▽十両優勝（１３勝２敗）　貴ノ岩（たかのいわ＝本名アディヤ・バーサンドルジ）西３枚目、モンゴル・ウランバートル出身、貴乃花部屋。相撲留学した鳥取城北高から０９年初場所初土俵。１２年名古屋場所新十両。１４年初場所新入幕。昨秋の元横綱日馬富士による暴行事件で被害者となった。殊勲賞１回、敢闘賞１回。得意は右四つ、寄り、投げ。１メートル８２、１５０キロ。２８歳。

　▽三段目優勝（７戦全勝）　鏡桜（かがみおう＝本名バットフー・ナンジッダ）西１１枚目、モンゴル・オボルハンガイ出身、鏡山部屋。０３年名古屋場所初土俵。１３年初場所新十両。１４年初場所新入幕。得意は右四つ、寄り。１メートル８３、１５０キロ。３０歳。

　▼鏡桜　（３月の）春場所で左太腿の裏をケガして、先場所は全休していた。リハビリを頑張ったから勝てた。ここで踏ん張れば、まだやれる。一生懸命に稽古して、また十両に戻りたい。