出羽海親方、愛弟子・御嶽海Vに「うれしい」三重ノ海以来38年ぶり

[ 2018年7月22日 05:30 ]

大相撲名古屋場所14日目   ○御嶽海―栃煌山● ( 2018年7月21日    ドルフィンズアリーナ )

初優勝を飾り、出羽海親方(右)とビールで乾杯する御嶽海(撮影・椎名 航)
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 御嶽海の優勝に、師匠の出羽海親方(元幕内・小城ノ花)は「うれしかったし、ホッとした。明日までハラハラが続くより早く決まって良かった。自分の弟子が優勝してくれるのはうれしい」と感慨深げに話した。

 1862年創設の出羽海部屋は、歴代最多9人の横綱と8人の大関を輩出し、理事長も4人生んでいる名門。優勝制度ができた1909年夏場所以降、全ての部屋で最多の15人が優勝。2010年夏場所まで102年間、常に関取が在籍していた。だが、幕内優勝は80年初場所の横綱・三重ノ海を最後に38年間も遠ざかっていた。「私が入門する前で、全く分からなかった」。83年7月初土俵の出羽海親方は、初の出来事に戸惑うばかりだった。

 2014年に11代目師匠として部屋を継承。当時は関取不在で、ゼロからのスタートだった。同年九州場所で出羽疾風が十両に昇進したが、続く関取がなかなか誕生しなかった。御嶽海は15年に入門。「縁があって紹介してもらい、(名門復活に)協力してほしいと言った」という。着実に番付を上げ、デビューから所要2場所で十両、4場所で幕内に昇進。三役10場所目の今場所は「立ち合いの踏み込みが良かった。先手を取れていた。一番一番集中していた」と愛弟子を称えた。

 御嶽海の優勝で部屋通算の優勝は50回となった。師匠の携帯電話には50件を超える「おめでとう」メールが届き「返すの大変だ」とうれしい悲鳴を上げた。それでも、これは名門復活の第一歩にすぎない。「名門、伝統は必ず言われる」。重圧に耐えてきた師匠にも、ようやく光が差し込んできた。

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2018年7月22日のニュース