御嶽海 V一直線給金!出羽海部屋43年ぶり中日単独首位

[ 2018年7月16日 05:30 ]

大相撲名古屋場所8日目 ( 2018年7月15日    ドルフィンズアリーナ )

<大相撲8日目>御嶽海(中央)は8連勝で中日に勝ち越しJリーグ名古屋グランパスの選手らと記念写真に納まる(撮影・岩崎 哲也)
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 関脇・御嶽海が自身初のストレート給金を果たした。合口のいい千代の国のいなしで泳いだが、すぐに体勢を立て直して寄り切った。名門・出羽海部屋の力士が単独首位で中日を折り返すのは、1975年(昭50)九州場所で初優勝を飾った関脇・三重ノ海以来43年ぶりとなった。平幕・千代大龍が敗れ、1敗は平幕の遠藤、朝乃山の2人だけとなった。

 プレッシャーをはねのけ、御嶽海がトップを守った。今年の初場所は初日から7連勝で止まり、そこから5連敗。「(意識が)ないと言えばうそ」という中で勝ち越しを決め、インタビュールームでは「ホッとしています」と本音が出た。

 千代の国には過去6戦全勝だった。相手の突きをしっかり受け止めて白星を重ねてきたが、この日は相手のいなしでバランスを崩した。「危なかった。足が出なかった」と肝を冷やしたが、その後の対応が早かった。赤房下でくるりと体を反転させ、引きに乗じてもろ差しで出た。「体が動いてくれて良かった」。自身初のストレート給金を果たした。

 これまで横綱9人を輩出している名門・出羽海部屋の所属。最近は優勝争いに絡む力士が出ておらず、ストレート給金は2007年夏場所の平幕・普天王(現稲川親方)以来、実に11年ぶり。中日単独首位ターンとなると75年九州場所の三重ノ海以来。三重ノ海は7勝1敗で折り返して優勝した。その再現ができれば、1980年初場所の横綱・三重ノ海以来で部屋通算50度目(優勝制度が制定された1909年夏場所以降)の優勝となる。

 全力を出し切るための体調管理も怠りない。猛暑を克服するため冷房の温度を低めに設定する力士が多い中、部屋はほぼ26〜27度に保っており、飲み物も「なるべく常温のものを飲む」と細心の注意を払っている。

 優勝争いを引っ張っている自覚は「ない」という。「自分もいつ負けるか分からない。失速しないように頑張る」。気負いのない言葉が、初優勝を予感させる。

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