稀勢の里 上向き手応え 32歳誕生日に志願の出稽古

[ 2018年7月3日 14:41 ]

白鵬(右)とぶつかり稽古を行った稀勢の里
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 大相撲名古屋場所(8日初日、ドルフィンズアリーナ)へ動向が注目される横綱・稀勢の里(田子ノ浦部屋)が3日、32歳の誕生日を迎えた。この日は名古屋市緑区の宮城野部屋に出稽古。幕内・正代(26=時津風部屋)と11番取って全勝だった。

 前日に九重部屋で鉢合わせた横綱・白鵬(33=宮城野部屋)との稽古が明らかに稀勢の里を変えていた。「昨日横綱に胸を借りて非常にいい稽古になりましたので今日もと思って」。自ら宮城野部屋への出稽古を志願した。「タイミングが合わなかった」と2日連続の三番稽古は実現しなかったが、最後に白鵬に胸を出してもらい、思い切りぶつかった。土俵に転がり背中は土だらけ。それでも表情は晴れやかだった。

 「やっぱりね。上とやると違いますね。動きはだいぶ良くなっている。スピードも出てきた気がします」。時折顔をほころばせて手応えを語った。7場所連続休場中で名古屋場所の出場も危ぶまれる状況。そのタイミングで稽古をつけてくれた白鵬に感謝の言葉を並べた。「新大関の時も新横綱の時も。いつもありがたい。一人じゃできないですから」。見守った師匠の田子ノ浦親方(42=元幕内・隆の鶴)も「状態は良くなっている」と上向きであることを認めた。

 正代らと13番(全勝)取った後に胸を出した白鵬は「(稀勢の里は)良かったですよ。今場所か来場所かというのはあるが、引っ張ってあげたい。そんな感じ」とコメント。稀勢の里が横綱昇進以降まだない本場所での直接対決を「早かれ遅かれ、準備します」と楽しみにしている様子だった。

 稽古後に報道陣からバースデーケーキを贈られた稀勢の里は「平常心」とデコレート。「思うように行かないことがたくさんあって。平常心でしっかり千秋楽まで取り切れるようにしていきたい」と決意を述べた。田子ノ浦親方は「(出場の)判断はまた相談しながら慎重に考えたい」と話し、今後は依然不透明だが、希望の光が差してきた。

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2018年7月3日のニュース